ジェイミー・xxが語る最新作「In Waves」と「サンプリング」、そしてThe xxについて
――オープニングトラック「Wanna」は、興奮を目前にした静けさをキャプチャしたかのようなアンビエントトラックですが、なぜこのような静かな幕開けにしたのでしょうか?
ジェイミー:そもそも、「Wanna」をアルバムの最初に持ってこようとは意図していなかったんだ。このアルバムのトラックリストを考えるのには、すごく時間をかけていて、この曲はアルバムの中盤に置いてあるパターンが多かった。もともとは自分のDJセットで、観客に静かな瞬間を与えて、リセットさせるために作った曲なんだよ。だけど、「Wanna」をアルバムの中盤に置いたバージョントラックリストで、アルバムをフォー・テット(Four Tet)に聞いてもらったら、彼の主な指摘は「『Wanna』を冒頭に持ってこい」ということだった。最初は彼の指摘はクレイジーだと思ったよ。でもそれを取り入れることにした。フォー・テットはいつも素晴らしいアドバイスをくれる。それがピッタリとハマったんだ。
――今作のトピックの一つとして、「Treat Each Other Right」などでUKベースを扱っていることがあると思います。このサウンドメイクでこだわったところはありますか?
ジェイミー:若いプロデューサー、特にUKの子たちの音楽を最近よく聴いているんだけど、すごく面白いことをやっていて、すごく良い刺激になっている。彼らがやっている多くの技術は、僕でさえ、どうやってやるのか知らないものなんだ。この10年間で、アンダーグラウンド・ミュージックのサウンドがこれほどまでに良くなったことには驚いている。そういう若い子たちの音楽を聴いて、彼らからいろいろと学んだよ。
僕は昔から音楽を聴くことで、サウンドメイキングを学んできた。さっきも言ったけど、アヴァランチーズの1stアルバムを聴いていた頃も、僕はまだエレクトロニック音楽がどうやって作られているのか全く分からなかったけれど、とにかくあのアルバムを延々と聴いた。そしてそれを模倣しようと試みた。だから、今回のアルバムにあるブレイクビーツっぽい曲やUKベースっぽい曲は、若いプロデューサーたちの音楽を聴いて、彼らの音楽にインスパイアされて作られたものなんだ。