ジェイミー・xxが語る最新作「In Waves」と「サンプリング」、そしてThe xxについて
――「All You Children」に続く「Every Single Weekend」も特徴的な子供の声のサンプルが使われていますが、あれは何かの曲からサンプリングしたものですか?
ジェイミー:あれも実はアヴァランチーズとコラボレーションした曲なんだ。最初に作ったバージョンはもっと尺の長いものだったんだけど、そっちのバージョンは今後、アヴァランチーズ名義でリリースできたらと思っている。僕たちは、子供の歌声が入ったサンプルをたくさんお互いに送り合っていた。彼らの得意とする分野だよね(笑)。 そして、僕たちはこの曲のバージョンをいくつも作った。だからアルバムに収録されているのは、長いバージョンを切り取ってつなげたものなんだよ。
――アルバムからの最初のシングル「Baddy On the Floor」のカットアップの部分で、ダフト・パンクの「One More Time」を思い出す人は多いかもしれません。
ジェイミー:その曲自体を意識したわけではないんだけど、僕はあの時代のダンスミュージック全般に大きな影響を受けてきた。ちょうど「Discovery」(01年)がリリースされていた頃に、音楽の作り方を勉強していたからね。彼らの音楽は、当時最もヒットしたポップソングだったけれど、それと同時にとても品があり、僕の幼少時代から大好きだった音源をサンプリングしていたり、参考にしたりしている上に、プロダクションが洗練されていた。そういった部分に影響を受けているから、自分の音楽においても、同じような感覚を呼び起こすものを作りたいと常に思っているんだ。
――サンプリングを用いるとなれば、一番苦労するのが権利のクリアランスかと思います。そこでのエピソードを聞かせてください。
ジェイミー:許諾を得るのは大変なものばかりだったよ。最近ではサンプリングをするのがさらに難しくなったからね。今回は自分のルーツに立ち返りたいという思いがあったから、サンプリングの許諾を得るのが大変でも、それをする必要があった。実は1曲だけ、どの部分もクリアランスが下りず、アルバムに収録できなかった曲があるんだ。いつかこの曲を完成させて、クリアランスが必要ないDJセットなんかでプレイできればいいけどね。