人生最大の挑戦からたった1年半で強制引退…元ガールズケイリン選手・濱野咲さん「落車の恐怖乗り越えられず」/リンカイ!コラボインタビュー
ーー濱野さんは石井寛子選手に練習を見ていただいてましたよね。 はい。デビューしてから1年経ったぐらいの頃でした。練習は積極的にしていましたが、師匠となかなか日程が合わないことが多かったんです。そんな時に石井さんが「咲ちゃん、まだやる気あるなら練習見てあげるけど、どうする?」って聞いてくださって。もし選手を続けたいなら、自分が面倒を見たら何とかなるかもしれないって。やる気はもちろんあったので、二つ返事で見ていただくことになりました。 石井さんはとても強くて面倒見もいいけれど、普通だったら代謝まで残り半年の選手の面倒見たいなんて思わないですよね。そんなわたしにわざわざ声をかけてくださって、強さも優しさも兼ね備えているなって、すごく嬉しかったです。 ーー石井選手に師事してからはどんな練習をしましたか? 石井さんに見てもらうため、朝6時に千葉に行って1時間ぐらい練習し、そのあと自分のホームバンクで朝練に参加します。お昼休みにご飯を食べて、それからまた石井さんのところに戻って夜まで練習。千葉と東京を行き来してひたすら自転車に乗ったり、ウエイトトレーニングしたり、バイクトレーニングしたりしていました。 石井さんは練習メニューだけじゃなく、マッサージの予約まで、全部の予定を組んでくれるんですよ! 「私のメニューをこなしていれば大丈夫じゃない?」って。私なりに頑張って毎日ちゃんとこなせたので、褒めてもらうことも多かったんですよ。 ただ、競走ではできないんです。練習の時は石井さんの後ろについていけるのに、競走だと石井さんより競走得点が低い選手についていけない。 石井さんの言う通りにできていたので、自分でも行けるかもしれないとは思っていました。面倒を見ていただいているんだから、何としてもいい成績を出さなきゃという気持ちもありました。でもやっぱりレースではできなくて。結局メンタルが弱かったのかもしれません。 練習の通りにやろうと思っても気持ちがぶれてしまったり、走る前から離れたらどうしようって考えてしまったり。代謝のこともあったので、不安が大きく出てしまったのかな。少しでもタイヤが当たると身体がこわばって筋肉が固まってしまって、最後まで落車の恐怖を完全に乗り越えられなかったですね。