「シロン」や「ヴェイロン」より格上とみなされるブガッティ「T35T」が5000万円ほどで手に入る!? レクリエーションに近いレストアの中身とは
レストア後はほとんど走行していない
この個体は、2009年に英国内での登録のため「DVLA(Driver and Vehicle Licensing Agency:運転免許庁)」による検査と写真撮影を受け、登録番号「BF 5305」が与えられた。ただし2009年以前の履歴は不明であり、車両は2019年に「ビルドアップ(新規製作)」されたものとして認知されている。 このブガッティ T35Tはレストアのあと、ほとんど走行しておらず、ジェントリー社による販売前の点検と整備ののち、さらなる公道や競技会への出走の準備ができていると主張されていた。 ボナムズ社は「ブガッティ T35の100周年を祝うのに、これ以上の方法があるだろうか?」という煽情的なPRフレーズとともに、25万ポンド~30万ポンド(当時のレートで約4900万円~約5900万円)という、完全オリジナルとして認められたブガッティT35の相場価格の1/10以下にも相当するエスティメート(推定落札価格)を設定していた。 ところが実際の競売では出品サイドの規定した「リザーヴ(最低落札価格)」には到達せず、残念ながら「流札」に終わってしまったようである。 ただし、現オーナーおよびボナムズ社の見立ては決して過大評価などではなく、たとえばアルゼンチン「Le Pur Sang」が今世紀に自社製パーツで製作したT35であっても、もし現在の国際マーケットに売りに出されれば、5000万円を下回ることなどほとんどないのが実情。 したがって、今回のオークションについていえば、決して多くはない顧客候補との折り合いがつかなかったということなのであろう。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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