児相施設からの児童転落死「重く受け止める」 河村市長が定例会見
児相施設からの児童転落死「重く受け止める」 河村市長が定例会見
名古屋市の河村たかし市長は14日、市役所で定例記者会見に臨んだ。市の児童相談所で一時保護した児童が建物3階のトイレの窓から転落死した事件について、河村市長は「市の管理下で保護すべきところで子どもの命が失われたことは大変悲しく、重く受け止めている」と言及。「しっかり検証して、再発防止に全力を挙げていく」とした。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2022年11月14日)
「予測可能性あった」と対策不備指摘
市の発表などによれば、亡くなった児童は15歳の少女で、今月3日に入所先の施設を退所し保護者に引き取られていたが、4日になって保護者の元から失踪。保護者が児相に連絡した上で、警察に行方不明届けを提出した。 児童は7日に県内で保護され、警察が中川区の西部児童相談所に通告し、児相職員が所内で事情を聞いていた。児童がトイレに行くと言ったため、建物3階のトイレに行かせて職員がトイレ前で待機していたが、出てこなかったためトイレを確認したところ、駐車場に転落している児童を発見。ただちに病院へ救急搬送したものの、翌日未明に死亡が確認された。 河村市長は「トイレの窓に転落防止の柵などがなかった」と対策の不備を指摘した上で、過去にも死亡事案ではないが2階の窓からの飛び降りがあったとして「予測可能性は十分あった」と述べた。 また、「この子は自分でこうやりたいという気持ちがあり、学校との手配もしとったはずだが、そこがうまく行かなかった」とし、教育現場での子どもの福祉機能を充実させる必要があるとした。
旧統一教会問題で市の相談窓口設置へ
旧統一教会の問題について、市として相談窓口の開設を準備していると述べた。10月から11月末までの期間限定で窓口を設けている岐阜県の例などを参考に、旧統一教会との金銭トラブルなどに関して相談を受け付け、関係機関の紹介などをするという。 河村市長は「国は国でやっているが、市民生活に直結することなので、こういうことこそ市がやらなあかん」と強調した。 (関口威人/nameken)