【大学野球】投手は「決め球」、打者は「強いスイング+コンタクト力」 指揮官が大学ジャパンに求める能力
選考合宿は「堀井カラー」を前面に
【侍ジャパン大学代表候補合宿】 ▼6月22日 紅白戦[バッティングパレス相石スタジアムひらつか] 2024年から侍ジャパン大学代表チームを指揮するのは慶大・堀井哲也監督である。 6月22日から3日間の選考合宿では「堀井カラー」を前面に打ち出している。まずは、22日に行われた紅白戦。例年は2チームにて行ってきたが、今回はA、B、Cと3チームに分けた。安江均コーチ(名城大監督)、森本吉謙コーチ(仙台大監督)、鳥山泰孝コーチ(国学院大監督)がそれぞれ率い、総当たりの7イニング制で計3試合が行われた。選考会はどうしても、個々のアピールに走りがちであるが、あえて「チーム」として戦うことで、より実戦力を見極める場として位置付けた。 2日目は投手(フィールディングほか)、野手(ノック、フリー打撃)とも基礎的なメニューから、個々の能力を確認した。「実戦でしか見えない部分と、打たせてくれる打撃練習のボールは、自分でコントロールできる。違うパフォーマンスの仕方がある」(堀井監督)。 また「国際試合では、強いスイングが必要」と、野手は打球速度などを計測した。 「(昨日の)実戦で結果が良かった選手は、打球速度にも見えるものがありました。結果が出なかった選手は、打撃練習を通じて『本来はこういうバッティングなんだな』と、良いものを見せてくれました。(全参加選手に)平等に環境と機会を与えることができたなかな、と思います」(堀井監督) 最終日も2つのチェックポイントを、明確に提示した。 「(出場するプラハ・ベースボールウイーク2024、ハーレム・ベースボールウイーク2024には)タイブレークがあるので、バントの攻防。(自チームの)守備も一つ。(攻撃面は)2ストライクからのバッティング、2ストライクアプローチを見てみたいです」 候補選手も具体的にテーマを与えられれば、動きやすい。国際試合で必要なプレーを、事前に準備・理解することもできる。グラウンドだけではなく、座学も設定。研修合宿の意味合いもあり、充実のメニューが組まれた。 投手に求めるには「決め球」、打者は「強いスイング+コンタクト力」。24日は午前中のみの練習で、午後には代表選手24人が発表される。堀井監督はあらためて、チームに求める2つの条件を言及した。 「とにかく最強のメンバーを選ぶのが、大学ジャパンの使命」が大前提。そして「心身のタフさ。大学球界を代表する立ち居振る舞い、所作、選ばれた選手が大学生の模範、目標とされる選手で戦いたい」と堀井監督は話した。 相手をリスペクトし「品位」と「品格」を兼ね備えたチームを目指す堀井ジャパン。3日間の競争の末、選ばれた代表24人には日の丸を背負う自覚と責任が問われる。また、惜しくもメンバーから漏れた21人も、合宿3日間で得た経験を持ち帰り、自チームへと落とし込む役割が求められる。参加した45人は大学野球界のリーダー的存在として、多くのメッセージを発信することが期待される。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール