アイデアの90%は失敗する。だから覚えておきたい「低リスクで成功を見極める戦術」2つ
「失敗は許されない」。 この言葉は、映画の主人公が言えばカッコいいですが、新商品開発の現場にはそぐいません。 なぜなら「新しいアイデアの90%は失敗する」からです。それが「たとえ、どんなにきちんとつくって売ったとしても」。 こう言い放つのは、「世界のベストCTO 25」賞などの受賞歴を持つ、起業家・イノベーター・講演家のアルベルト・サヴォイア氏です。 サヴォイア氏は、(かつて在籍していた)Google社の失敗に終わった「グーグルグラス」などを例に挙げ、いかに新製品・サービスを成功させるのが難しいかを、著書『Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』(石井ひろみ翻訳/サンマーク出版)で解説しています。
早く安く、成功するアイデアかを確かめる
とはいえ、サヴォイア氏が本書で説くのは、そうしたリスクばかりではありません。金銭的・時間的損失をミニマムに抑えつつ、新しいアイデアに市場性があるかを確かめる手段も提示しています。 それが「プレトタイピング」です。 初めて聞く言葉だと思いますが、それもそのはず。これは、サヴォイア氏の造語で、「プロトタイプ」をもじったものです。「プレ」という接頭語には、プロトタイプよりも「前」の工程という意味合いと、「プリテンド」(ふりをする)の意味が含まれています。 サヴォイア氏は、プレトタイピングには、プロトタイプをしのぐ大きなメリットがあると力説します。その1つが、期間・費用がかなりかかるプロトタイプよりも、圧倒的に早く安くできるという点。 もう1つは、アイデアのコンセプト自体がそもそも間違っているかどうかを早期に検証し、ダメだとわかったら傷が浅いうちに撤退できるという点です。 プレトタイピングには何種類かあり、本書ではその各々について詳しい解説がなされています。ここで全部を紹介すると長くなりすぎるため、そのうち2つをピックアップしましょう。