ラファエル・ナダル、デビスカップで敗れ現役生活に別れ...「全力は出し切れた。心から感謝しています」<SMASH>
「そしてスペインチームのみんなには、再びこの舞台で僕にプレーさせてくれたことをはじめ、心から感謝しています。もっとチームに貢献したかったですし、全員が望んでいた結果にはなりませんでしたが、全力は出し切れたと思います。プロ選手としての最後の日々をここで過ごす機会を作ってくれたチームにありがとうと言いたいです。 国を代表して、ここにいる多くの人々と一緒に時を過ごしましたが、それは僕にとって信じられない経験でしたし、特別なことでした。その瞬間を楽しめましたし、たくさんの喜ばしい瞬間もみんなと一緒に経験できました。おそらくみんなには今後もそういう瞬間が来ると思います。本当にありがとう。 誰しもこの瞬間(引退)を迎えたいとは思わないはずですし、自分もプレーすることに疲れ果てたとか、そういうわけではありません。ただシンプルに身体が“もうプレーを続けたくない”と言っているのです。そういう状況を受け入れなければなりません。僕にとってはこれまでのこと全てが特別でした。想像していたよりずっと長く自分の趣味をキャリアにすることができました」 「ここ数年は忘れられない日々を過ごす中で常に皆さんがいてくれました。私は自分を愛してくれる人々、そしてそばにいて自分の人生を良くしてくれる人々との関係をずっと保ちたいと思うタイプの人間です。できる限り大きな変化を加えずチームや家族との関係を保つことは自分がキャリアを通じてやってきたことでしたし、それがプロとしての範囲をはるかに超え、色々な人と個人的に非常に良好な関係を築くことにつながりました。ですから、皆さんの存在がなくてはこのような終わり方はあり得ませんでした。改めて心から感謝しています」 男子選手歴代2位の四大大会22勝(うち全仏14勝)を含むツアー92勝を挙げ、“生涯ゴールデンスラム”(四大大会と五輪制覇)の偉業も達成するなど、数々の輝かしい功績を残したナダルのガッツあふれるプレーがもう見られない...その事実を受け入れることは本当に難しいが、いずれはまたテニスコートでボールを打つ姿を見せてほしいものである。これから始まる“赤土の王者”のセカンドキャリアが幸多きものになることを願うばかりだ。 文●中村光佑