なぜ「キャッシュレス決済」が後押しされてるのに、「新紙幣」が発行されるんですか? 将来的に“現金”が使われなくなるなら、意味はないのではないでしょうか…?
日本の現金への高い信頼感
キャッシュレス決済比率1位の韓国において、ここまでキャッシュレスが普及しているのは、1997年にアジア通貨危機が起きたことに由来します。危機の打開のために、政府主導でクレジットカード利用促進の政策が出されたことが一因とされています。 同じく2位の中国では、偽札が横行し、旅行客に注意喚起が出されるほどです。キャッシュレス化が進んだ理由は偽札対策だけではありませんが、日本とは現金に対する信頼感がまったく異なります。 一方、日本では図表1のとおり、キャッシュレス化の政策がなされたあとでも日本銀行券の発行高、流通高は右肩上がりになっています。今後は発行高、流通高が減っていく可能性もありますが、これまでの流れを見る限り、ゼロになるとは考えにくいです。
<図表1> 日本銀行の統計より筆者作成 キャッシュレス化が進むからといって、手元の現金をゼロにしてしまうのは早計です。また、インフラや通信が不安定になる災害時には、現金のみが有効な決済手段となる事態も考えられます。 普段はクレジットカードや二次元バーコードを使っていても、ある程度は財布に現金を入れておくのがよいでしょう。
まとめ
世の中に偽札があふれ紙幣への信頼感が落ちる事態を避けるためには、定期的な改刷と偽造防止技術の向上が欠かせません。キャッシュレス化が進んでも紙幣がゼロになるわけではないので、紙幣改刷は必要なことだと言えるでしょう。 出典 経済産業省 キャッシュレスに関する説明資料等 一般社団法人キャッシュレス推進協議会 キャッシュレス・ロードマップ2023 日本銀行 時系列統計データ検索サイト 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部