【毎日書評】ビジネスシーンで役立つ日本の「神様」についてのノウハウとは?
偉大な経営者や成功者は神様を大切にしている
偉大な経営者たちの多くは、神社への参拝を欠かせないのだそうです。シリアスなビジネスの世界では、ときには未知の領域に踏み込まなくてはいけないこともあるもの、そこで、人知を超えた神様の力を信じる人が多いということのようです。 株式会社プラネットが行った「お寺・神社に関する意識調査」では、会社役員・経営者や会社員、自営業者、公務員など様々な職業の3792人に「お寺と神社のどちらによく行きますか」と尋ねています。 そのうち会社役員・経営者の45.8%が「両方とも行く」、21.7%が「神社」と回答しています。また、職業別では最も多い合計67.5%が神社に行っているという回答でした。寺だけに行っている人も合わせると80%に達し、会社役員・経営者ほど神仏を大切にしていることがわかります。(16ページより) 古来、日本人のなかに脈々と受け継がれてきた神様への心を、経営者のように上に立つ人ほど強く意識しているということなのでしょう。そしてその思いを従業員へと広げ、そこで成功した人たちがやがて経営者となり、先人にならって神様からいただいたご縁に感謝する。さらには、それを若い世代へと伝えていく。 こうして神様を大切にする心が色濃く受け継がれた人ほど、偉大な経営者となり、成功者となっていくということ。著者もそうしたさまを数多く見てきたといいます。(16ページより)
海外からも注目が集まっている八百万(やおよろず)の神様
お参りに行った神社で外国人の姿を目にするのは、いまや珍しいことではなくなりました。神社は境内に巨木も多く、広大な鎮守の森や御神体としての自然豊かな山もあるので、外国人にとっても日本の文化や自然に触れることのできる場所として人気があるのでしょう。 伊勢志摩サミットで伊勢神宮を訪れた米国のバラク・オバマ大統領(当時)は、「幾世にもわたり、癒しと安寧をもたらしてきた神聖なこの地を訪れることができ、非常に光栄に思います。世界中の人々が平和に、理解しあって共生できるようお祈りいたします」と記帳しています。(26ページより) 一方、日本国内の神社で奉仕する外国人の神職も誕生しているようです。神道に創始者はおらず、教義も聖典もなく、改宗や入信の仕組みもありません。大切なのは、自然への畏敬の念や歴史・文化への敬愛の心。 そんな、神社での祭祀だけでなく生活習慣の中に無意識のうちに現れる日本人の信仰のかたちは、宗教というよりも哲学のように感じられるのかもしれません。 約50ヵ国以上を訪ねて他の宗教の聖職者らと交流し、神道についての研究書など20冊以上の著書がある加藤隆久・生田神社名誉宮司は「神道のようにすべてのものに神、魂が宿ると考えるアニミズムの要素を持つ宗教は、一神教へ至る前段階にあるという意味で“下等”な位置づけをされる時代もありました。 しかし、例えば地球温暖化問題などで自然との関わり方が根本から考え直されるようになり、すべてのものを敬い、調和を尊ぶ神道のような心のあり方が見直されてきているように感じます」と話してくれました。(27ページより) 日本人が思っている以上に、外国の人々は日本の神様、神道について学び、人生の指針としているようです。(23ページより)