77.6%が越境ECでリピート購入、44.0%が帰国後に購入【BEENOSが越境EC利用者調査】
BEENOSはこのほど、BEENOSグループが運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」において、海外のユーザーを対象に「越境ECの利用意向に関する意識調査」を実施し、その結果を公開した。越境ECのリピート購入経験者は77.6%、帰国後の旅アト消費の経験者は44.0%いることなどがわかった。 【グラフ】アンケート回答の結果 BEENOSグループは、海外ユーザー向けの購入サポートサービス「Buyee」や、海外転送サービス「転送コム」など、海外販売を支援するサービスを展開。多様な配送手段や決済手段、北米やヨーロッパ、アジアへ向けた独自の物流サービスによる国際配送料の安さ、複数サイトで購入した商品も同梱できるなど高いサービスレベルが好評の「Buyee」は、2024年9月時点で会員数が588万人を超えている。 2024年は1月から11月までの訪日外客数が3187万人と、過去最高だった2019年の年間累計を上回り、6月には1ドル=160円を突破するなど記録的な円安があった。日本で消費活動を行う訪日客数の拡大と、海外からの消費意欲が高まる円安傾向は継続し、リアルとオンラインの双方で旺盛な海外需要を取り込んでいくことが海外販売に挑戦する日本企業にとって課題の1つとなっているとし、このほど「Buyee」を利用する海外のユーザーを対象に「越境ECの利用意向に関する意識調査」を実施した。海外の消費者による越境ECの利用意向を明らかにすることで、日本企業の海外需要を取り込みを支援する。 調査対象は、1年以内に「Buyee」で商品を購入した顧客で、表示言語を「英語」「繁体字」「韓国語」に設定している人で、回答者数は1345名(表示言語が英語728名、繁体字454名、韓国語163名)。調査期間は2024年11月19日~25日。 越境ECで商品を購入する理由をたずねた問い(複数回答)では、もっとも多い「自国の店舗やECサイトで販売していないから」が81.2%と群を抜いた。さらに入手が困難という意味で似た理由となる「限定品で市場の流通数が少ないから」(41.0%)と、「廃盤品市場の流通数が少ないから」(40.6%)が、それぞれ40%を超えて続いた。一方で、「国内で購入するよりも商品が安いから」「取り扱い商品の種類が多いから」といった利便性に基づく回答や、「公式サイトで商品購入したいから」という安心感を求めて越境ECを利用している様子がうかえる回答も30%を超える結果となった。 越境ECで商品を購入する頻度をたずねたところ、もっとも回答の多かった「1カ月に1回程度」(29.8%)を含む46.2%が「1カ月に1回以上利用する」という結果になった。「1週間に2回以上」と回答したヘビーユーザーも5.7%存在した。91.3%が1年に2回以上越境ECを利用すると回答しており、越境ECは海外の消費者にとって日常的な購買手段となりつつあることがわかる結果となった。 越境ECで買い物する際の1回あたりの使用金額をたずねたところ、「5000円~1万円未満」の回答が29.6%でもっとも多い結果となった。1万円以下と以上を比べると、1万円以上購入している人の方が多く60.2%だった。 前年との越境ECの利用頻度の変化をたずねた問いでは、2024年は2023年に比べて越境ECの利用頻度が「増えた」という回答が51.3%と過半数となり、越境ECの利用拡大が伺える結果となった。 越境ECで購入したことのある商品ジャンルについて、15分野に分けて当てはまるものをたずねた問い(複数回答)では、14分野で10%以上の回答を得る結果になった。人気のトップは57.3%と唯一過半数の回答を獲得した「アニメなどのキャラクターグッズ」だが、次点の「書籍・マンガなどの冊子」も48.3%、3位の「フィギュア・ぬいぐるみ」46.3%と半数近い回答数で、海外の消費者はさまざまな分野で越境ECを利用していることがわかった。日用品分野の「インテリア・キッチン・生活雑貨」も16.6%の回答があり、越境ECでの商品購入が日常に溶け込みつつあることが伺える結果となった。 日本の新商品情報を得ることの多い媒体についてたずねた問い(複数回答)では、「YouTube」(44.4%)、「Instagram」(42.1%)、「X」(41.3%)、「Facebook」(27.5%)といったSNS経由で情報を取得している傾向がわかる結果となった。とくに上位3媒体は割合が40%を超えており、SNSで情報発信を行うことは海外の消費者に情報を届けるための有用な方法の1つと言えるとした。 越境ECで同じお店からリピート購入をしたことがあるかたずねたところ、77.6%が「はい」と回答した。 リピート購入の経験があると回答した人に、リピート購入した理由をたずねた問い(複数回答)では、「公式商品が購入できるから」(44.5%)、「新商品が発売されるから」(39.0%)、「お気に入りのお店だから」(31.3%)が上位となった。日用品など消費財のリピート購入と考えられる「気に入った商品のリピート購入だから」も28.0%の回答があった。海外の消費者も日本の消費者と同様に同じお店からリピート購入をしていることがわかった。 一方、リピート購入の経験がないと回答した人にその理由をたずねた問い(複数回答)では、「購入したい商品が毎回異なるから」が53.2%ともっとも多かった。これは1点ものであるリユース商品やコレクションアイテム、トレンド性の高いファッション商品などを購入している消費者層と考えられる。次に回答が多かった「欲しい商品が購入できればショップにはこだわりがないから」(40.5%)の消費者層は、自国では購入できない具体的な商品名を越境ECで検索し、指名買い購入をしていると推察している。 外国旅行中に気に入って購入した現地の商品やブランドを、帰国後に越境ECで再度購入したことがあるかを質問したところ、44.0%が「はい」と回答した。2023年に実施した「海外旅行及び訪日旅行における消費行動と越境ECに関するアンケート」の訪日後の旅アト消費経験に対して「はい」と回答した35.4%から8.6ポイント増加した。 旅アト消費の経験があると回答した人に、その理由をたずねた問い(複数回答)では、「自国で似たような商品を購入できないから」が60.0%ともっとも多かった。次いで、「商品を提供するブランドやショップの世界観のファンになったから」も45.6%と半数近くにのぼり、「効能や味、香り、手触りなど商品自体がとても気に入ったから」という商品そのものに愛着を持つ回答も39.9%となった。 一方、旅アト消費の経験がないと回答した人に、その理由をたずねた問い(複数回答)では、「現地購入で満足した」(37.0%)がもっとも多く、「越境ECで購入できるかわからなかった」(23.5%)、「検索したが気に入った商品を見つけられなかった」(19.1%)が続いた。日本で海外の顧客に商品販売する際は、越境ECでも購入できることを伝えることで、旅アト消費に繋がる可能性が高まることがうかがえる結果となった。 BEENOSグループの越境ECサービスサイトでは、より多くの設問を含むホワイトペーパーも提供している。
日本ネット経済新聞