ダチア、2025年のダカールラリーを戦う”革新的”マシン『サンドライダー』を発表
ルーマニアのメーカーであり、現在はルノーグループ傘下にあるダチア。2024年の”テスト段階”を経て、2025年からワークス体制でダカールに参戦する計画を立てている。 【ギャラリー】2025年のダカールラリーを戦う”革新的”マシン『ダチア・サンドライダー』 マシンを開発するのはイギリスのプロドライブであり、すでに2021年からプロドライブでダカールラリーを戦っているセバスチャン・ローブや、スペインの女性ラリードライバーであるクリスティーナ・グティエレス、トヨタで2022年からダカールラリーを連覇し、今年はプロドライブのマシンを駆ってダカールを走ったナッサー・アル-アティヤを起用することを発表していた。 パリで行なわれたサンドライダーのプレゼンテーションの中で、ダチアはダカールラリーだけでなく、世界ラリーレイド選手権にもフル参戦することを明らかにした。また少なくとも2027年までダカールに参戦するとも表明している。 マシン開発の担当ディレクターであるダビッド・デュランは、サンドライダーはドライバーたちが設定した要求を考慮し、プロドライブ製ハンターの特徴を維持しながらも合成燃料を使う新しい3リッターV6ターボエンジンを搭載していると説明した。マシンの前面にはプロドライブのロゴも残っている。 またプロドライブは、理想的な重量バランスを見つけ、重心を低くし、赤外線顔料を使用して温度を下げる特許取得済みの熱管理システムなどの、革新的なシステムを導入する手助けをしたという。 サンドライダーの最初のテストは6月にモロッコで行なわれ、3回のセッションを予定。またダカールラリー参戦を前に、10月にモロッコ・ラリーに参戦する予定だ。 ローブ曰く、ダチアとプロドライブは特にコックピットからの視界について着目し、斬新なシステムが搭載されているという。 「多くの部分について、たくさんの議論があったが、主なものは視界だった。僕たちが走る場所では、時に問題が起きるからね。だから多くのテストを行なった。メリットが大きいと思ったからね」 グティエレスは、砂漠の真ん中で立ち往生しないための斬新なシステムを追加することを提案したと語った。 「私たちが設計に参加できたことは素晴らしいことでした。私は、一部パーツのせいで時間をロスすることを避けるために、磁気プレートを含めることを提案しました」 四輪駆動のサンドライダーは、アクスルの強化やギヤボックスの仕様変更などにより、プロドライブのハンターよりも信頼性が改善されている。ブレーキのディスクやペダルも変更されており、ドライバーがより使いやすく、より体力を必要としないシステムになっているようだ。
Mario Galán