立浪ドラゴンズ交流戦で浮上できず…今後の戦いに必要不可欠な"人材"とは?
2024年セ・パ交流戦は、東北楽天ゴールデンイーグルスの初優勝で幕を下ろした。中日ドラゴンズは7勝11敗、交流戦では3年連続の負け越しとなった。立浪和義監督になって、交流戦で"勝てて"いない。シーズンの借金も6へと増えてしまい、リーグ同率最下位に転落してしまった。(敬称略) 【動画】“竜の忍者”田中幹也の高速美技はこちら!【0分48秒~】
しぶとい竜野球も見せた!
交流戦の序盤には好ゲームも多かった。開幕戦では、高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が埼玉西武ライオンズ打線を相手に、8回途中まで4安打無失点の圧巻のピッチングを見せた。その後、高橋は北海道日本ハムファイターズ戦でも好投して2勝を挙げた。京セラドーム大阪に舞台を移してのオリックス・バファローズとの戦いもしぶとく勝った。 6月1日の2戦目は、9回表に代打・大島洋平の同点打、さらにようやくスタメンマスクが巡ってきた石橋康太の逆転犠牲フライで競り勝った。翌2日の3戦目は、アレックス・ディカーソンの特大同点ホームラン、そして延長12回には中田翔の逆転打で、2日連続「2対1」というスコアでの勝利。ようやく僅差でも競り勝つドラゴンズ野球ができてきたと喜んだ。
負け越しが続く対戦
しかし、バンテリンドームに戻っての福岡ソフトバンクホークス戦から、また歯車が狂い始めた。ホークスとの初戦。この日も「2対1」の1点差スコアで逃げ切りたいゲームだったが、ファースト中田翔の失策とリリーフ清水達也のワイルドピッチ、2つのミスによって追いつかれて、最後は敗れた。その後も、四球がきっかけで得点を許したゲーム、チャンスを併殺打で潰したゲーム、元・同僚の阿部寿樹に打たれて敗れたゲームなど、ホークス、そしてイーグルスに、本拠地で続けて負け越した。
元・竜戦士たちの"逆襲"
北海道ではドラゴンズファンにとって何とも切ないゲームが待っていた。6月13日のファイターズとの3戦目、1勝1敗で迎えたゲームは、元・竜戦士たちが、相手のユニホームを着て目の前で躍動した。2022年に自由契約となりファイターズと契約した捕手のアリエル・マルティネス、2023年シーズン途中にトレード移籍した捕手の郡司裕也、そして投手の山本拓実である。郡司は内野のサードを守っての1番打者、アリエルは4番に座った。 この日、2人は合わせて4安打5打点の大活躍。中継ぎで好投した山本拓実が勝ち投手となった。山本にとっては、嬉しい移籍後の初勝利だった。プロ野球の世界では「恩返し」という表現が使われる。しかし、やられた側としては、そんな甘い言葉を認めたくない。「恩返し」は打者なら"凡退してくれること"、投手なら"打たれてくれること"である。3選手の活躍は、厳しい言い方をすれば、チームから放出したドラゴンズに対する「しっぺ返し」なのである。ただ、新天地で活躍を続ける3選手には、心からの敬意を表したい。