立浪ドラゴンズ交流戦で浮上できず…今後の戦いに必要不可欠な"人材"とは?
福留孝介さんの言葉とは?
交流戦でも目の当たりにしたのは、「あと1本」が出ないという、竜打線が抱え続ける課題。総得点は33と、最下位だったライオンズに次いで12球団で11番目の少なさだった。それ以上に目立ったのは、失策の多さである。それも、信じられない凡ミスが多かった。観戦中に「あっ!」と声を上げてしまうことも度々だった。 以前、拙著『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社・2023年)でインタビューした、OBで野球評論家の福留孝介さんは「野球はこちらが1点もやらなければ負けることはない」と、打線以上に「守り」の重要性を説いた。「その中で1点を取れば、相手が慌てて2点目、3点目が生まれる。勝手に点が取れるようになる」。何やら、ドラゴンズ自身が"慌てて"しまい、勝手に点を与えてしまったような交流戦の戦いだった。
打者のリーダーがほしい!
交流戦明けのペナントレースで、ドラゴンズにとって必要なもの、それはチームを鼓舞するリーダー的な選手の存在だろう。シーズン序盤は中田翔が、その役割を担うかと思われたが、体調面もあってかなかなかそうなっていない。大島洋平や高橋周平という"生え抜き"の2人も継続的な出場にはなっていない。トップバッターとして期待された岡林勇希も打撃の調子が上がらない。 監督でもコーチでもない、打線を引っ張り、チームを引っ張る選手のリーダーこそ、今のドラゴンズには必要なのである。このところずっと4番に座る細川成也への期待は大きい。豪快なホームランをどんどん見たい。 手元には、夏に向けて購入したバンテリンドームの観戦チケットが並ぶ。日替わり打線への懸念など、ドラゴンズファンの思いも梅雨空のように悶々としているが、それを吹き飛ばすのは"勝利"しかない。応援は続く。最下位からの逆襲なるか、立浪竜は交流戦明けの戦いへ、どうチームを立て直してくるか。まずはリーグ首位の広島東洋カープとの戦い、いきなりの正念場が待っている。 【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。
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