月額5万円の養育費を支払っていたが…元妻とのあいだの子と面会交流して発覚した「衝撃事実」【弁護士が解説】
養育費を減額する手続きの進め方
では、養育費を減額する際の一般的な手続きの進め方について解説しましょう。 STEP1:養育費の計算をする まずは、どこまで養育費を減額できるのか計算しましょう。元配偶者が再婚し、子どもが再婚相手と養子縁組した場合には基本的に支払義務はなくなると考えてよいでしょう。こちらが再婚したり子どもが誕生したりした場合には、複雑な計算が必要です。弁護士に相談して算定してもらうことをおすすめします。 STEP2:相手に連絡して話し合う 養育費の金額を計算できたら、相手へ伝えて話し合いをしましょう。相手が納得したら養育費を減額できます。ただし、この時点で勝手に養育費を減額してはなりません。減額後の養育費の始期についても定める必要があります。 STEP3:養育費についての合意書を作成して減額する 合意ができたら、減額した養育費についての「合意書」を作成しましょう。合意が整ったら、その時点(取り決めた減額の始期)から減額した養育費の支払いを開始します。
再婚を理由に一方的に養育費の支払いを打ち切られた場合
養育費の支払いを受けている場合、再婚するといきなり相手から養育費の支払いを打ち切られるケースが少なくありません。 しかし、再婚しただけで相手の養育費支払義務がなくなるわけではありません。養子縁組していないなら、これまでとおり養育費を支払うよう通知しましょう。それでも払わない場合、公正証書や調停調書があれば相手の給料や預貯金などを差し押さえられます。こういった書類がない場合には、改めて養育費調停を申し立てて支払いを求めましょう。 調停や審判で養育費の金額が決まったにもかかわらず相手が支払わなければ、差し押さえが可能です。
自分が再婚したことを報告していなかった場合
離婚をした元配偶者に、再婚したことを伝えることに抵抗を感じる場合もあるでしょう。では、養育費が発生している期間中において再婚したにもかかわらず、相手に伝えなかったり隠したりしていた場合には、どのようなリスクが生じるのでしょうか? 生じる可能性のある主なリスクは、次のとおりです。 権利者が再婚を報告しなかった場合のリスク 養育費を受け取る権利者が再婚を報告しなかった場合、相手が子どもとの面会交流の際などに情報を入手し、いきなり養育費を払わなくなる可能性があります。 その後、「養子縁組していないから養育費を払ってほしい」などと伝えても、不信感を持たれてスムーズに支払いを再開してもらえないリスクが高くなるでしょう。面会交流も滞りがちになって子どもが悲しい思いをするケースもあるため、くれぐれも再婚についてはきちんと伝えるべきです。 義務者が再婚を報告しなかった場合のリスク 義務者が再婚を報告しなかったら、養育費を減額してもらえません。本来なら減額してもらえるはずなのに、延々と高額な養育費を払い続けることになります。特に、再婚相手とのあいだに子どもができたら、養育費の減額幅が大きくなります。適正な金額まで下げてもらうため、再婚したら早めに相手へ伝えて養育費を減額してもらいましょう。