月額5万円の養育費を支払っていたが…元妻とのあいだの子と面会交流して発覚した「衝撃事実」【弁護士が解説】
義務者が再婚…減額が認められるケースと認められないケース
養育費の支払義務者が再婚した場合、再婚相手の状況によって養育費の減額が認められるケースがあります。 1.再婚相手に子がいない、かつ収入がない場合 まず、再婚相手に子どもがおらず、かつ専業主婦(夫)など収入がない場合です。再婚をした場合、義務者には再婚相手に対して扶養義務が生まれます。義務者の収入が変わらないのであれば、扶養すべき対象の人数が増えると一人あたりへ配分できる金額は少なくなるため、養育費が減額される場合があります。 2.再婚相手に子がいて養子縁組した/子が生まれた場合 次に、義務者の再婚相手に子どもがいて、その子どもと養子縁組をした場合、もしくは再婚相手とのあいだに子どもが生まれた場合には、上記と同様、義務者が扶養する対象が増えるため、養育費の減額が認められるケースが多いでしょう。 3.再婚相手の子と養子縁組しない場合 最後に、義務者の再婚相手に子どもがいるものの、養子縁組をしないケースです。この場合、当然には再婚相手の子どもに対し扶養義務を負うわけではないため、原則として養育費は減額となりません。
民事執行法の改正の影響
民事執行法が改正されたことにより、養育費を支払わなかったときの「取り立て」が容易になっています。裁判所で財産開示手続が行われる際、正当な理由なく出頭しなかったり虚偽を述べたりすると罰則が適用されるようになりました。 また、「第三者からの情報取得手続き」を利用すると、勤務先や金融機関口座などの情報を入手できる可能性があります。なお、民法改正により成年年齢が18歳に引き下げられましたが、養育費は変わらず未成熟子に対して支払うべきとする考え方が優勢であり、成年年齢引き下げにより一律に満18歳で打ち切られるものではありません。
収入の変化…減額が認められるケースと認められないケース
相手の収入が大きく増えた場合 再婚をしたかどうかに関わらず、養育費の取り決め後に子どもの親権者である元配偶者の収入が大きく増えた場合には、養育費の減額が認められる可能性があります。たとえば、元配偶者が転職をしたり独立したりして、収入が大きく増えた場合などです。 自分の収入が大きく減った場合 再婚をしたかどうかにかかわらず、養育費を支払っている側の収入が大きく減った場合には、養育費の減額が認められる可能性があります。ただし、次で解説するように、収入が減った理由によっては養育費の減額ができない場合もあります。 収入は減ったが自己都合である場合 養育費の支払い義務者の収入が減ったものの、収入の減少が自己都合である場合には、養育費の減額は認められない可能性が高いでしょう。 自己都合による収入減とは、たとえば勤務していた企業を自己都合で退職した場合などです。また、支払い義務者が会社経営者で自分の給与を自分で決めている場合などにおいて、養育費を引き下げる目的などで自分への給与支給額を大きく減らした場合などにも、養育費の減額は困難でしょう。