イヤなことが起きたときはこれしかない…精神科医・和田秀樹「ネガティブ感情を手放す一番効果的な方法」
いつも朗らかでいるコツは何か。精神科医の和田秀樹さんは「感情とのつき合い方が上手な人は、怒ってもカラっとしてるし、自分が悪いと思えば素直に謝る。その人たちには共通点がある」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、和田秀樹『感情的にならない本』(PHP文庫)の一部を再編集したものです。 ■変えられないものは放っておけばいい 感情的にならないためにどうすればいいか、あなたはいま、短く答えることができますか? いちばん有効な方法は「動くこと」でした。 自分の気持ちといつまでも向き合っていないで、どんどん動いて外を向くこと。 起きてしまったイヤなことや、他人の悪感情なんかにとらわれないで、目の前のやるべき仕事や作業をさっさと片づけていくこと。 つまり、変えられないものは放っておいて、変えられるところから変えていくのが溌剌(はつらつ)とした感情を保つコツです。 あなたの周りの朗らかな人、明るい感情であなたと向き合ってくれる人、みんなを元気にしてくれる人、そういった人たちを思い出してみましょう。 いつも行動的ですね。 もちろんそういう人でも、感情的になることはいくらでもあります。泣いたり笑ったり怒ったり、人間だから当たり前ですが、喜怒哀楽をわりとはっきり出す人たちなのです。 でも、イヤな感情にいつまでもとらわれることはありません。怒ってもカラっとしてるし、自分が悪いと思えば素直に謝ります。感情とのつき合い方が上手なのです。 ■グズグズした気持ちを切り替えるには 悪感情を引きずるタイプはどうでしょうか? グズグズと恨み言をいい続けたり、ヒステリックに他人を攻撃したり、済んだことをいつまでも悔やみ続けるような人は、決断力も行動力も鈍いように見えます。つまらないことにこだわり続けるというのは、それだけ気持ちが内向きになりやすい人ですから。切り替えができないのです。 スパッと答えを出す人は違います。 答えを出して行動に移すことで、グズグズした気持ちも切り替えることができます。イヤな感情につかまっているときでも、すぐにそこから抜け出すことができるのです。 ではどうすれば、すぐに動ける人になれるでしょうか。 動くためには明快な行動方針が必要です。といってもむずかしいことではなく、迷いやためらいが生まれてもそれをふり切る考え方のことです。 たとえば「チャンスかもしれないな」「おもしろいだろうな」と考えても、そこで迷ってしまうと結局、動けませんね。 「どうしようか」「失敗するかもしれないな」「もうちょっと様子を見るか」となります。これでますます動けなくなります。