値上げナシ!でも売り上げ3倍「サラダコスモ」躍進の秘密を徹底分析
もやし種を自分で作りたい~30億円の農場に賭けた夢
もやしの原料となる緑豆。中田は有機栽培にこだわり、これまで多くを海外から輸入してきた。しかし、その値段は上がる一方となっている。 「良いもやしを作るには良い原料が必要です。良い原料に自分が関わっていきたい」(中田) 10年以上前から動いてきた挑戦の舞台は南米パラグアイ。広大な土地を借り、自社農場で緑豆の栽培を始めたのだ。しかし、水害などに見舞われ、パラグアイでの緑豆作りは断念した。 だが、中田は諦めない。すでに次の舞台アルゼンチンで新たな挑戦が始まっていた。山手線の内側の1.2倍という広い土地を約30億円で購入。ここに原料の自社農場を作ろうとしているのだ。目指すは有機栽培。すでに一部が収穫できるまでになっている。 年末には成果を日本に持ち帰り、社員にお披露目。アルゼンチンの種から栽培したスプラウトが見事に育った。 「アルゼンチン産の種は根張りも良く、従来種より1日早く収穫できました。非常にいい種子かなと」(スプラウトの工場長・森康祐) 品質は申し分なし。しかもコストは輸送費込みで10分の1になるという。 「私は会社と社員の生活をこの種に賭けて勝負したい」(中田) ※価格は放送時の金額です。 ~村上龍の編集後記~ 会社は成長している。2014年に売上高は73億円、この10年で203億円、3倍近い。その極意とは「コストを削り、売れる商品を作る」というものだ。カット野菜だが、中田さんは当初、野菜を刻むだけのビジネスに気乗りはしなかった。しかし生産現場からの突き上げで参入。カット野菜業界では後発、だが有機大豆もやし、オーガニック・スプラウト類など高付加価値の野菜で躍進。中田さんには南米の夢がある。2018年、アルゼンチンで山手線内に匹敵する広大な土地を入手。再び、有機で原料を作ることに挑む。 <出演者略歴> 中田智洋(なかだ・ともひろ)1950年、岐阜県生まれ。1973年、大学卒業後、家業の「中田商店」入社。1990年、サラダコスモに社名変更 2006年、ちこり村オープン。 ※「カンブリア宮殿」より
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