「争奪戦になる可能性はある」優勝球団の捕手FA問題 球界OBが注目する「強み」「フロントの姿勢」とは
パ・リーグはソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を決めた。 小久保裕紀新監督の下、主軸の柳田悠岐が5月下旬に試合中の故障で離脱するなど、様々な困難もありながら、西武からFA移籍してきた山川穂高や昨年に続き活躍した近藤健介、また中堅、若手の力の融合も果たし、ゴールテープを切った。 【動画】ソフトバンクが4季ぶりの優勝を決めたシーン、甲斐もヘルナンデスと抱き合って喜ぶ 一方チームではオフに主戦捕手、甲斐拓也のFA問題も控えている。チームばかりか、侍ジャパンの正捕手としても数々の大舞台を経験してきたとあって、扇の要が仮に他球団移籍となると大きく地殻変動が起こりそうだ。 甲斐の去就に関しては球界内からも様々な考察の声が上がっている。 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は9月22日に自身のYouTubeチャンネルに「【FA考察】GMなら絶対獲得に動く選手は!?現時点で考えるFA選手について語ります!!」と題した動画を更新。各球団のFA選手の去就に関して独自の見解を語っている。 その中で甲斐の去就に関しては「手をあげたら面白いな。どんなことになるのかなというのがある」と話した。 仮に行使を宣言したら「争奪戦になる可能性はある」としながら、ソフトバンクとしても長年チームを支えてきた扇の要だけに「ほかに行かせたくないということはある」と強く引き留めに走ると見る。近年のFAでも常にプライスリーダーとされるなど、球団の資金面は潤沢といわれており、待遇においては他が上回ることは難しいこともあり、残留の可能性が高いと見る。 ただ、甲斐の魅力としては「優勝を何回も経験している」ことを挙げ、希少ポジションの捕手においては「経験値を買う」意味でも、仮に市場に出れば、多くの球団による争奪戦になる可能性が高いとした。 今オフは、まれに見る「捕手FA」の年とされる。巨人・大城卓三、阪神・坂本誠志郎、中日・木下拓哉と各球団の主戦級捕手が一斉にFAを迎える珍しいシーズン。中でも注目となっている甲斐の去就がほかの選手の行使にも影響を与えるということも、十分に想定される。 その意味でも高木氏はソフトバンク側が示す"誠意"に注目。「先手必勝が大事かな」と甲斐の残留にはフロントの対応が鍵を握るとした。 動画内では、各球団の注目FA選手についても語っている。 今季は育成ドラフト出身としてNPB初の1000試合出場と節目も飾った。年を重ねても探求心を忘れず、強肩、フレーミング技術の確かさなど捕手というポジションで甲斐をたたえるキーワードは数多い。 果たして球界で確固たる地位を築いた「勝てる捕手」の判断は? ポストシーズンへの時間が進むとともにオフの主役となるかも引き続き、注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]