カンニング竹山「世の中には自分と違う意見の人が大勢いる」SNSトラブルになる前に気をつけたいこと
2023年11月、痴漢や盗撮などの容疑者らしき人物を捕まえる“私人逮捕系YouTuber”が相次いで逮捕された。その過激な内容には以前から賛否があったが、このほかにも近年では、一般人が遭遇したトラブルをSNSに投稿して炎上を招くなど、自身の行動が正しいと思い投稿した内容であっても、SNS上では意見が分かれてしまうケースが増えている。X(旧Twitter)を初期から続けているというカンニング竹山さんも、過去に妻の写真を勝手に投稿され誹謗中傷を受けたり、自身も無断で画像を使用してしまい、注意を受けた経験を持つ。そうした中で、徐々にSNSとの付き合い方も変化したという。いま、SNS投稿について感じていることを聞いた。(Yahoo!ニュース Voice)
妻の写真をSNSで投稿された過去
――竹山さんは街中を歩いているとカメラを向けられることがあると思いますが、どう感じていますか? カンニング竹山: それに関しては、人によって意見が別れると思います。我々のように芸能関係の人間は、「そうやって飯を食っているんだから、撮っていいだろう」という考えもあれば、「いやいやプライバシーがあるからやめてくれ」という考えもありますよね。 僕はテレビ番組のロケ中であっても、なるべくSNSにあげないで欲しいという思いがありますね。なぜかというと、ロケ中の内容はテレビで放送されて初めて完成されるものだと思っているから。例えば、「千葉で牛とこういうロケをやっていた」という内容の投稿があったとして、テレビで放送される前に内容は言わないでよと僕の立場では思いますね。あとは余計なことをSNSに投稿する人もいて、「誰かと思ったら竹山だったガッカリ」や「初めて会った芸能人が竹山になった残念」などの投稿を見かけたりしますが、今はいちいち苛立ったりはしなくなりましたね。 ――竹山さん自身はSNSでトラブルに発展したことはありますか? カンニング竹山: 以前は、無断で写真を撮られてSNSに投稿されることも多かったです。特に印象に残っているのが、15年ほど前、妻や後輩と一緒に福岡県の太宰府天満宮に観光に行った時のことです。その時の様子を無断で撮影されて、「竹山の奥さんがブスだ」と妻の写真が投稿されました。その時はすごく腹が立ったというか、「せめて自分はいいけど、芸能関係でもない妻のことを無断で投稿するのはやめてくれ」と思いましたね。その当時はSNSの投稿に対して言い返したりしていました。その他にも、プライベートのことで「パチンコに行ってた」や「スーパーで買い物してた」とSNSに投稿されると「ちょっといい加減にしてくれ」と思ってしまいますね。 僕自身も昔はやっていいことと悪いことをしっかり理解していなかった時があって、ネットで拾った画像をSNSで流用してしまったことがありました。その時は、画像元の方から直接注意を受けてその投稿を削除したという経験があります。当時に比べて、ネット全体のリテラシーは僕含めてだいぶ上がったと感じますね。 ――現在もSNSのトラブルに対して対処されているのでしょうか? カンニング竹山: 完全プライベートの状態を無断で撮られてSNSに投稿されるのは、僕は正しくはないと思っていますけど、そのことに関してSNSで文句は言わないようにはしていますね。「何も言わないことが最大の防御」だということが分かったんです。それは、SNSには“炎上の仕組み”があることに気づいたからなんですよ。 例えば、僕がテレビ番組である物事に対して「俺はこれが嫌いだからダメなんだ」と言ったとします。番組をしっかりと見ていた人は「なぜダメなのか?」がちゃんと伝わっているので、実はテレビで言っただけでは炎上はしないんです。その後、番組を見たネットメディアが、「竹山 〇〇は大反対と発言」というような、番組内での発言の一部だけを切り抜いた記事を作るんですよ。すると、その記事を見た人たちによって、「番組見てないけど記事でこんなこと書いてある、竹山けしからん」「私はこんな意見は許さん」といった賛否のコメントやSNSへの投稿が増えます。さらに、YouTubeでこのネット記事に関して解説動画をあげる人たちが出てくる。そうなると、SNS上にはネット記事に関する投稿が溢れ“炎上”が始まっているんですよね。 でも、これで僕がすごく炎上している状態だったとしても、その辺を歩いている時に「ちょっと竹山さんこの間あの記事を読んだけどおかしいと思うよ」と直接言ってくる人は誰もいないんです。そんな人に会ったことないですよ。語弊はあるかもしれませんが、炎上して一番惑わされているのは炎上している本人じゃなくて、そのネット記事をSNSで拡散して“感情を動かしちゃった人”だと思っているんです。だから、僕はSNSではあまり言わないようになりましたね。もちろん普段テレビや新聞を見ない人でもネットニュースによって世間のことを知るという方も多いですし、ネット記事が悪いという話ではなく、僕自身は「持ちつ持たれつ」の関係だと思っているんですよね。