カンニング竹山「世の中には自分と違う意見の人が大勢いる」SNSトラブルになる前に気をつけたいこと
SNS発信の善悪の境界線について
――最近は事件・事故の現場を撮影して投稿したことがきっかけで、思わぬ炎上やトラブルになることが増えています。 カンニング竹山: 従来、様々なニュースはテレビ局や新聞社などの大きな企業が発信してきました。でも今はスマホ一つで、誰でも情報発信源になれてしまう。ニュースになりそうな事件や事故の現場に出くわすと、「証拠として撮らなきゃいけない」「この事実を押さえたい」と、みんな正義感や好奇心で撮影するんでしょうね。おそらく自分が散歩中に火災現場を目撃したとしても、きっと反射的にカメラを向けちゃうと思いますね。 ただ撮った動画を発信するかどうか、これが問題だと思うんです。テレビ局などの大きな企業は、一つのニュースを出すか出さないかで、何人もの大人が話し合いして「裏は取ったのか?」「なぜこうなったのか?」などの事件の背景なども取材して「よし、じゃあこれをニュースにして出そう」という、企業としての判断も踏まえて放送をする。それだけの責任を持って、みんなプロとしてやるわけですよね。でも、今の時代は全員がまるで「個人テレビ局」のようにスマホ一つで簡単に発信できてしまう。その発信が個人でしか判断してないから、結局出した後に炎上して問題になったりすると思うんです。 ――SNSとどういう形で付き合っていくのがいいと思いますか? カンニング竹山: SNSの難しいところが、内容が過激だったり、賛否がある内容であればあるほど、視聴回数や“いいね”の数などは増えていくんですが、その“いいね”や“リツイート”の数が全て高評価かと言うと、決してそうではない。それなのに「みんなが私のことを支持してくれている」と錯覚して、舞い上がる人が多いと思いますね。 SNSに翻弄されている人に気づいて欲しいのは、「自分がSNSで世の中を変えてやろう」とか、「自分のこの意見、この考え方をなんで分かってくれないんだよ」とか思わない方がいいということ。なぜかと言うと、「そうじゃない」と思っている人、自分と違う意見の人というのは世の中には大勢いるからです。それで炎上や賛否を招く事態になってしまい、自分自身が傷ついてしまうことがあるかもしれない。気軽に自分の意見を言えるのが“SNSの良さ”ですけど、それで得している人はあまりいないような気がしますね。 SNSは気軽なツールではあるけども、意外と現実の世界よりも発言に気をつけなきゃいけないツールだと思います。それこそ、「なう」なんて言葉を使うぐらいがSNSの使い方として丁度いいのかな。「昼飯なう」とか「ハンバーグ定食なう」みたいな。そんな風にもっと楽しむツールとして活用できるといいですよね。 ===== カンニング竹山 福岡県出身のお笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、数多くのバラエティー番組に出演。ワイドショーのコメンテーターを務めるほか、役者としても活躍する。2024年2月16~18日に単独ライブ「放送禁止2024」を東京・池袋のサンシャイン劇場にて開催予定。 制作協力:SION