「べつに、飲んでれば、治るでしょ」の大間違い…なんと、飲む時間で、薬の「治療効果は数倍」違ってくる!
朝に多い → 心筋梗塞・脳梗塞・くも膜下出血・不整脈 月曜日に増える → 狭心症 冬に33%増 → 心臓死 【画像】24時間リズムを体中に行き渡らせる「驚愕のネットワークシステム」の正体 病気が生じやすい“魔”の時間帯が存在することをご存じでしょうか? 脈拍や呼吸、睡眠はもちろん、細胞分裂やたんぱく質の製造まで、人体はさまざまなリズムにしたがって「いつ」「何を」おこなうかを精密に決めています。そのリズムの乱れが、健康を害する引き金になっているのです。 病気が生じやすいタイミングがあるのはなぜか? 薬が効く時間、効かない時間はどう決まるのか? それらを治療に活かす方法は? 時計遺伝子やカレンダー遺伝子の機能としくみから、体内時計を整える食品まで、生体リズムに基づく新しい標準医療=「時間治療」をわかりやすく紹介する『時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間』から、そのエッセンスをご紹介します。今回は、体内時計のしくみに基づき、従来よりも効果の高い治療を目指す治療法である「時間治療」をご紹介します。 *本記事は、『時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。
病気になるかどうかは「時間に左右される」
みなさんは、薬には「効く時間」と「効かない時間」があることをご存じでしょうか。同様に、病気にも「なりやすい時間」と、「治りやすい時間」があることをご存じですか。 まったく同じ薬を使っても、「いつ使うか」で効果に違いが生まれるというのは、ふしぎな感じがします。また、病気になる/ならないが「時間に左右される」というのも、予想外に感じる人が多いでしょう。 しかし、実際にそのような現象が存在するのです。なぜでしょうか? その答えは、私たちの体の中に「体内時計」が備わっているからです。体内時計とは、生体の中で自律神経をはじめとする各種のはたらきのリズムを刻む機構のことで、さまざまな周期をもつ複数の時計が存在しています。 『時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間』で詳しく紹介しているように、最近の医学研究によって、体内時計を上手に利用すれば、薬の効果を数倍にも高めることができる一方、副作用を半減できることがわかってきました。