【シクラメンファン必見】来シーズンこそ、ひと鉢で100輪を目指す!シクラメン栽培の極意
園芸品種のシクラメン栽培で最も難しいのが夏越し。夏越しは成功したものの、「花数が少ない」「もっとたくさん咲かせたい」というシクラメンファンに向けて、『趣味の園芸』2024年12月号では、来シーズンこそ100輪を目指す、5つの栽培の極意をお伝えしています。ここでは、極意1つめを紹介! みんなのシクラメンの写真
【極意1】生育中は、肥料を切らさずに育てる
肥料を切らさず育てれば葉数がふえ、球根も太って大株に育ち、来シーズンは花数がさらにふえます。特に大輪系の品種は肥料を好むので、肥料切れに注意します。 〈冬はカリ分の多い液体肥料を施す〉 冬の室内では普通鉢の場合、水やりの頻度が少なく、また底面給水鉢の場合は常に鉢土が湿っています。固形肥料を置くと肥料の接している表土付近が高濃度になり、根を傷めるおそれがあるので、液体肥料がおすすめです。 チッ素分が多いと株が軟弱になり、夏に球根が腐りやすくなるので、チッ素分が少なく、かつ日光不足になりやすい室内でも光合成をサポートするカリ分が多めの液体肥料(*1)を施します。 冬以外の生育旺盛期は、リン酸分の多い液体肥料(*2)を週1回水やりを兼ねて施すか、三要素等量(*3)の固形肥料を鉢縁付近に置き肥します。 葉の色が薄い、花茎が細い、花が小さい、葉数と花数が減ってきた、八重咲きが一重咲きに変わったといった症状は肥料切れが原因。これらは1か月くらい前の栄養状態を示しており、速効性のある液体肥料(*1)を施して体力を早く回復させます。 *1(N-P-K=6.5-6-19など)、*2 (N-P-K=6-10-5など)、*3(N-P-K=8-8-8など)すべて規定倍率、規定量。
〈ブルー系はじっくり育てる〉 ブルー系品種は肥料を多めに施すと顕著に花数がふえて見ごたえがアップする反面、根腐れや夏に球根が腐りやすい傾向にあります。植物全般にいえることですが、肥料過多は寿命を縮めます。 ブルー系品種を長く育てたい場合は、液体肥料を規定倍率の3倍程度に薄めて施すか、追肥はせずに管理します。さらに、5月以降に上がってくる花は摘み取って株を休ませるとよいでしょう。
教えてくれた人/島田有紀子(しまだ・ゆきこ) 咲くやこの花館 広島市植物公園を経て、現在は大阪市の咲くやこの花館に植物技術専門員として勤務。シクラメンなどの鉢花や草花をはじめ幅広い植物の形態や栽培に精通。植物のおもしろさや育てる楽しみを伝えている。ベゴニア、ペラルゴニウムが専門で、特に変わり葉ゼラニウム研究の第一人者でもある。著書に『12か月栽培ナビDo 花苗をふやす タネまき・さし木・株分け』(NHK出版)など。 ●『趣味の園芸』2024年12月号「ひと鉢で100輪咲かせる! 5つの極意」より