鎌田大地が語った9分間のクリスタル・パレス移籍を決断した理由…「試合に出れていない時から常に声をかけてくれた」
プレミアリーグのクリスタル・パレスへ移籍した、日本代表MF鎌田大地(27)の初のインタビューが10日(日本時間11日)、クラブ公式HPで公開された。新天地を選んだ理由を問われた鎌田は、アイントラハト・フランクフルト時代の恩師でもあるオリヴァー・グラスナー監督(49)の存在をあげ、ラツィオで試合に出られなかった時期に連絡を受け、励ましのメッセージをもらっていたというエピソードを披露。世界最高峰の戦いに挑む決意を新たにした。 【決定的瞬間】カタール戦の延長での劇的決勝ゴール
プレミアリーグに乗り込んだ鎌田の第一声が届けられた。 新天地クリスタル・パレスのクラブ公式HP上で、10日(日本時間11日)に公開された動画。タイトルに『Daichi Kamada: First Interview』と銘打たれた、9分あまりの質疑応答で鎌田は思いの丈をファン・サポーターへ伝えた。 すでにクリスタル・パレスに合流している鎌田は、ドイツ、ベルギー、イタリアに続くヨーロッパで4つ目のリーグに挑む心境をまずこう語っている。 「プレミアリーグが一番競争力の高いリーグというのは、サッカーをしている人なら誰もがわかっていると思う。ヨーロッパの4大リーグと言われるリーグの2つでプレーできたなかで、プレミアリーグという世界最高峰のリーグでどれだけできるかを、僕自身がすごく楽しみにしている。いままで培ってきたものをしっかりと出して、チームにいい影響を与えられるようにやっていけたらと思います」 昨年8月にセリエAのラツィオへ1年契約で加入した鎌田は、昨シーズンの終盤から契約延長へ向けた交渉を重ねていた。しかし、契約解除金の設定を巡って決裂したと、5月末にイタリアメディアでいっせいに報じられた。 クリスタル・パレスへの移籍が発表されたのは今月1日。理由を問われた鎌田は「オリヴァー・グラスナー監督の存在が、もっとも大きな理由のひとつだと思います」と即答。恩師と慕うオーストリア出身の指揮官との間で紡がれてきた秘話を明かした。 「僕が試合に出られていないときから常に声をかけてくれたし、メッセージもたくさんくれた。いろんなやり取りをしたなかで、監督からの信頼を感じ取ることができたので」 昨シーズンの前半戦で、当時のマウリツィオ・サッリ監督(65)の構想から外れた鎌田は出場機会を激減させていた。苦境のなかで鎌田とコンタクトを取り、励ましていたのが、昨シーズンの前半は無所属だったグラスナー氏だった。 グラスナー氏と鎌田は2021-22シーズンから2年間にわたって、ドイツ・ブンデスリーガ1部のフランクフルトで、監督と司令塔の関係で厚い信頼関係を構築。2022年5月にはUEFAヨーロッパリーグで優勝している。 「僕自身は監督と多くコミュニケーションを取るタイプではないんですけど、フランクフルトのときは彼が求めているプレーをピッチの上で表現できていたと思うし、その部分ですごく信頼してくれていると感じている。もちろん監督としても素晴らしいけど、一人の人間としてもリスペクトできると思っています」 別々の道を歩み始めてからも信頼を寄せてきたグラスナー氏が、今年2月にクリスタル・パレス監督に就任。その時点で15位だったチームを上向かせた同監督は、特にラスト7試合で6勝1分けと無敗でフィニッシュ。最終的には10位で終え、その延長線上に待つ新シーズンへ、鎌田を迎え入れたいとラブコールを送ってきた。 「クリスタル・パレスにはいま、たくさんのタレントがそろっている。監督からは『このチームで新しい歴史を作りたい』と言われていたし、そのプロジェクトが自分にすごく合っていると思いました。それがここに来た一番の理由です」