じつはヘルシーじゃない“隠れ糖質”と“隠れ塩分”にご用心「おでんやかまぼこも食べすぎ注意」
中華料理はとろみに注意
とはいえ、外食は味つけが濃いめなメニューが多いため、やはり注意が必要。 「例えば、天ぷらは天つゆに糖質がいっぱい。おでんも同様につゆは気をつけて。はんぺんなどの練り物は、案外糖質も塩分も多い。がんもどきや卵は低糖質なのでおすすめです」 和食に隠れ糖質が多いのに対し、イタリアンなど洋食のほうが糖質は避けやすい。 「イタリアンはオリーブオイルでシンプルに調理された料理が多い印象。最近ではフレンチも健康志向の高まりから、ハーブやスパイスで素材を活かした料理が増えているようなので、避けやすいといえるかもしれません」 ちなみに、中華料理はとろみに注意。 「天津(てんしん)麺や天津丼といった天津系やあんかけ類には、糖質の片栗粉が使われています」 そもそも、糖質を避けるべき理由は、ご飯やパン、パスタといった炭水化物、つまりは糖質が多く含まれる食品を食べることで血糖値が急上昇し、それを下げるべく、インスリンが急激に放出されるから。 インスリンは余った糖を中性脂肪に変える働きがある。お腹まわりのぜい肉は、糖質が引き起こすインスリンの放出こそが原因ともいえる。 「血糖値の乱高下をグラフにすると、まるでスパイク(とげ)のよう。この“血糖値スパイク”は、肥満以上に深刻です。血管にダメージを与えて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めることになるからです」 血糖値の急激なアップダウンは、眠くなったりイライラするなどメンタルを不安定にすることも。イライラ解消のために、脳はさらに糖質を欲しがるという悪循環に陥る。 「お惣菜でもつい同じものを買ったり作ったりということはありませんか。それは使われている食材や調味料の糖質には中毒性があることが原因という場合もあります」
「糖質オフ」はマジックワードにあらず!
ちなみに、パーティーや忘・新年会の多い年末年始。アルコールに関しては? 「焼酎やウイスキーといった蒸留酒を選んで。醸造酒であれば日本酒よりワインを。甘口よりも辛口を選ぶようにしたほうがよいでしょう。要注意なのは、昨今よく目にする“低糖質”や“糖質オフ”。糖質オフをうたうビールの、ラベル表示を見てください。 糖質のg数は100mlでの表示が多い。缶ビール1本は350~500ml。1本飲んだら、それなりの量になるはずです。“糖質○%オフ”という表示も、比較対象商品に比べて低減されているだけで、低糖質とは限りません」 最近続々と登場している「カロリーオフ」をうたうマヨネーズやドレッシングも、同じ理由で油断できない。 「こうしたものは確かにカロリーこそオフですが、糖質は多めです。むしろ普通のマヨやドレッシングのほうが、糖質に関しては少ないぐらい」 「糖質0」と「糖類0」、に関しても、正しく理解されていないのではと懸念する。 「糖質0は、糖類(砂糖など)や多糖類(でんぷんなど)、糖アルコール(キシリトールなどの甘味料)など、一切の糖質が使われていないもののこと。一方、糖類0は、糖類や多糖類こそ含まれませんが、糖アルコールが使われている可能性があるんです」 「0」「オフ」という表示を鵜呑(うの)みにして1日何本も飲んだり食べたりしていれば、想像以上に多くの糖分を摂取することになりかねない。 「こうしたものを選ぶのならば“低”や“オフ”よりも“0”を。“糖類0”より“糖質0”を選ぶなど、賢く選択することが大切です。“糖類0”は砂糖が使われていないだけで、実は他の糖分がいろいろ入っていて、糖質ゼロとは限らない!ということ。お酒だけでなく、スイーツも糖質オフなどありますが、表記はよく見ておくべきでしょう」