仕事で感じる小さな喜びを大切に 簡単なのに大きな成果! セイバリングが生む3つの効果
最近、職場で小さな喜びを感じた瞬間を思い出せますか。私たちは感情を持つ存在であり、日々の仕事の中でさまざまな感情が生まれます。例えば、プロジェクトが順調に進んだときの満足感や、同僚から褒められたときの喜び、難しい課題を解決できたときの達成感などが考えられます。
仕事の成功体験を思い起こし味わう
しかし、ビジネスの場では、感情があまり重視されないことが多いかもしれません。感情は客観性や効率性にマイナスの影響を与えるものと見なされがちです。 本稿では、特にポジティブな感情を楽しむことの重要性について解説します。これを「セイバリング」と言います。活動や経験を堪能するという意味の英語savorに由来します。セイバリングとは、良い出来事や体験を味わい、その価値をしっかりと感じ取ることを意味します。セイバリングは、最近注目されているテーマであり、多くの研究が行われています。 これまでの研究に基づけば、セイバリングには、いくつもの効果があります。
効果1:他者からの評価のストレス緩和
例えば、職場における社会的評価に関するストレスを軽減します。人は、他者からの評価を気にしながら仕事をしています。同僚からの評価、業績評価、プレゼンの出来栄えなど、他者の目を意識せざるを得ない状況に置かれています。 しかし、ポジティブな感情をきちんと味わうことで、こうした評価のストレスを和らげることができます(※1) 。ポジティブな感情を十分に味わうことで、自分自身の価値や能力を認識し、自己肯定感が高まるからです。 自己肯定感が強まると、他者の評価に左右されにくくなり、ストレスが軽減されて、精神的な安定感が増します。例えば、プロジェクトの成功を味わうことで、次の課題にも自信を持って取り組むことができるようになります。
効果2:仕事の価値を再確認しウェルビーイング向上
セイバリングはウェルビーイングにもつながります。ポジティブな仕事経験は幸福感を高める効果があり、それをしっかりと味わうことで、幸福感はさらに強まります(※2) 。良い出来事が起こるだけでなく、その経験を深く楽しむことで、より大きな幸福感を得ることができます。 セイバリングがウェルビーイングに有効なのは、仕事の意味や価値を再確認する機会を提供してくれるからです。自分の仕事が持つ意義や、それが他者や組織にもたらす価値を再認識することで、満足感や達成感が高まり、結果として幸福感が増すのです。例えば、顧客から感謝の言葉をもらったとき、その瞬間をしっかりと味わうことで、自分の仕事の意義を実感し、より大きな満足感を得ることができます。