仕事で感じる小さな喜びを大切に 簡単なのに大きな成果! セイバリングが生む3つの効果
公園散歩やSNS活用 セイバリングを深めるヒント
セイバリングを効果的に実践するためのヒントもあります。これらのヒントを日々の仕事に取り入れることで、セイバリングを深めることができます。 ・自然の中を散歩する:自然に触れることで、感情が豊かになり、セイバリングがしやすくなります(※5) 。例えば、会社近くの公園を散歩しながら、自然の風景や音に意識を向けてみると良いでしょう。 ・SNSを有効活用する:小さな喜びをSNSでシェアすることもセイバリングの一つです(※6) 。プライバシーや機密情報には注意しつつ、喜びの瞬間を他の人と共有することで、喜びが広がります。例えば、社内チャットツールに専用のチャンネルを作り、お客様からの感謝の言葉などを共有するのも一つの方法です。
仕事だけじゃない 身近にあるセイバリングの機会
セイバリングと日常の小さな喜びは関係しています。セイバリングを実践することで、普段見過ごしがちな小さな喜びに気づきやすくなります(※7) 。そして、気づきが増えることで、さらにセイバリングの機会も増えます。 例えば、出社後のコーヒーの香りを楽しむことや、ミーティングにおける建設的な議論を味わうこと、締め切りに間に合ったことを喜ぶことなど、さまざまな場面でセイバリングを実践できるようになります。 こうした好循環は、個人の幸福感を高め、仕事への満足度を向上させる助けになります。職場でセイバリングを意識的に実践し、小さな喜びに目を向けることで、充実した職業生活を送ることができるでしょう。
(※1)Klibert, J. J., Sturz, B. R., LeLeux-LaBarge, K., Hatton, A., Smalley, K. B., and Warren, J. C. (2022). Savoring interventions increase positive emotions after a social-evaluative hassle. Frontiers in Psychology, 13, 791040. (※2)Ilies, R., Bono, J. E., and Bakker, A. B. (2024). Crafting well-being: Employees can enhance their own well-being by savoring, reflecting upon, and capitalizing on positive work experiences. Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior, 11(1), 63-91. (※3)Camgoz, S. M. (2014). The role of savoring in work-family conflict. Social Behavior and Personality: An international journal, 42(2), 177-188. (※4) Quoidbach, J., Berry, E. V., Hansenne, M., and Mikolajczak, M. (2010). Positive emotion regulation and well-being: Comparing the impact of eight savoring and dampening strategies. Personality and Individual Differences, 49(5), 368-373. (※5)Sato, I., Jose, P. E., and Conner, T. S. (2017). Savoring mediates the effect of nature on positive affect. International Journal of Wellbeing, 8(1), 18-33. (※6) Yu, S. C., Sheldon, K. M., Lan, W. P., & Chen, J. H. (2020). Using social network sites to boost savoring: Positive effects on positive emotions. International Journal of Environmental Research and Public Health, 17(17), 6407. (※7) Jose, P. E., Bryant, F. B., and Macaskill, E. (2021). Savor now and also reap the rewards later: Amplifying savoring predicts greater uplift frequency over time. The Journal of Positive Psychology, 16(6), 738-748.
ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆