高齢の飼い主が入院で飼えなくなった犬を保護 腫瘍だらけ、下半身麻痺で放置→懸命の治療に安堵の表情も1ヶ月半で天国へ
新しい家族との穏やかな時間
保護団体はぴねすの支援者であるエダママとパパさんが、小夏ちゃんの預かりを引き受けてくれました。小夏ちゃんは、エダママがそっと撫でると表情が柔らかくなり、安心したように目を閉じて眠る姿を見せました。 「エダママとパパさんは、小夏ちゃんのために食べやすい柔らかいおやつや特製の流動食を準備し、毎日細心の注意を払って与えてくれました。小夏ちゃんは少しずつ食欲を取り戻し、エダママの手からおやつを嬉しそうに食べるようになりました」
小夏ちゃんの最期の時間
10月22日、固形物を食べられなくなってしまった小夏ちゃんに、エダママは栄養ドリンクを飲ませようとしました。小夏ちゃんは弱っているはずにもかかわらず、エダママに噛み付こうとするような仕草を見せました。その仕草に、エダママは小夏ちゃんが最後まで自分の意思を貫こうとする気持ちを感じ、胸が熱くなったといいます。栄養ドリンクを飲んだ後も小夏ちゃんは自力で排泄をし、わずかな時間を懸命に生き抜きました。 そして、その静かな瞬間が訪れました。小夏ちゃんの小さな心臓は次第に鼓動を止め、安らかに息を引き取りました。翌日、10月23日に小夏ちゃんは火葬され、空へと送り出されました。 中村さんは、入院中の元の飼い主へ小夏ちゃんが看取り保護に移行したことを知らせましたが、最期を迎えたことについては報告しない選択をしました。小夏ちゃんの最期を知るのは、小夏ちゃんを支え、見守り続けた人たちだけでよいと考えたのです。
愛情に包まれた短い日々
はぴねすでの1カ月半、小夏ちゃんはかけがえのない愛情に包まれて穏やかな時間を過ごしました。エダママとパパさんに甘えたり、日差しの中でウトウトしたり、さまざまな表情を見せるようになった小夏ちゃん。新しい環境の中で、小夏ちゃんは次第に安心し、自分を解放していったように見えました。 小夏ちゃんは、最期の時まで懸命に生き抜きました。最期を共に過ごした人々に深い思い出と静かな感動を残し、穏やかな旅立ちを迎えたのです。小夏ちゃん、安らかに── (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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