中学受験生の冬休み「4、5年生は3日休んでOK」ただし「4日はダメ」…頭の働きをよくする勉強法"学年別プラン"
■三が日で「頭の疲れ」を取れば、また頑張れる それともう一つ、ここで休んだ方がいいのは、子どもの疲れを取るためだ。中学受験に挑戦しようとしている子どもたちは、4年生から塾通いが始まり、毎日多かれ少なかれ何かしらの受験対策をしていると思う。小学校の授業に加え、塾に習い事、そして塾の宿題と今の子どもたちは本当に忙しい。親から見ると、このくらいみんなやっていると思うかもしれないが、実は子どもたちは心身ともに相当疲れている。 身体の疲れはたっぷり睡眠を取れば回復するが、頭の疲れは外からでは分かりにくいし、子ども本人も気づいていないことが多い。でも、このままこの状態が続いていくと、いつか気持ちがポキッと折れてしまうことがある。だからこそ、ときどき休むことが重要なのだ。 三が日はとにかくゆっくり休むことだ。休むというのは寝正月を意味するわけではない。たくさん遊んで日頃の頭の疲れを取り、リフレッシュする。ここでしっかり休んでおくと、気分が一新し、「よし、また頑張ろう!」と前向きな気持ちになりやすい。 ■5年生は朝の30分だけドリルを ただし、休むのは3日まで。それ以上休んでしまうと、通常の生活リズムに戻しにくくなるからだ。5年生の場合は、三が日でも朝の30分だけドリルをやるなど、ほんの少しでいいから学習習慣を維持しておくことを勧める。ここで完全に勉強から離れてしまうと、通常のペースを取り戻すのに時間がかかってしまい、下手をすると6年生で好スタートを切るのが難しくなってしまうからだ。 4年生なら三が日はとことん休み、5年生なら朝の30分だけ勉強をして、あとは休む。6年生の場合は、ここはグッと我慢して入試本番に備える。これが私の勧める冬休みの過ごし方だ。
■4年生は土日のそれぞれ半日、5年生は土日のどちらか半日は休む では、日頃はどうか――? 一般的に中学受験の勉強は小3の2月から3年間かけて進めていく。大人の感覚からすると、3年なんてあっという間に感じるが、人生経験がまだ浅い小学生の子どもには、とても長く感じるものだ。また、大人と違って子どもは、遠い未来に向けて常に頑張り続けることはできない。だからこそ、ときどき休むことが絶対に必要なのだ。 学習習慣を身に付けることは、もちろん大事。でも、4年生のうちは毎日勉強漬けにする必要はない。土日2日間の各半日はゆっくり休む、またはたっぷり遊ぶ。5年生なら土日のどちらか半日は休むか、遊んでほしい。そして、その時間は子どもの好きなことをやらせてあげてほしい。ただし、ゲームやYouTubeは中毒性があるので、おすすめはしない。 ■6年生も合間にリフレッシュの時間を挟む 仕事でもそうだが、ずっと根を詰めていると、頭の働きが鈍り、良いアイデアが浮かばなかったり、つまらないミスをしたりするもの。勉強もそれと同じで、ただたくさんの時間やれば効果が出るわけではない。むしろ、休日にたっぷり休んでリフレッシュしたほうが満足感が得られ、月曜からまた「勉強を頑張ろう」という気持ちに切り替えられる。 6年生だって一日中勉強をする必要はない。ずっと机に向かったままだと、運動不足で血流が悪くなり、頭が働かなくなってしまう。1時間勉強したら、軽く身体を動かしたり、おしゃべりをしたりして、リフレッシュの時間を挟む。 長期間に及ぶ受験勉強をうまく乗り越えていくコツは、このメリハリだ。6年生は入試本番まであと少し。適度に休みを入れながら、最後まで悔いのないよう頑張ってほしい。 ---------- 西村 則康(にしむら・のりやす) 中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表/中学受験情報局 主任相談員 40年以上難関中学受験指導をしてきたカリスマ家庭教師。これまで開成、麻布、桜蔭などの最難関中学に2500人以上を合格させてきた。新著『受験で勝てる子の育て方』(日経BP)。 ----------
中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表/中学受験情報局 主任相談員 西村 則康 構成=石渡真由美