阪神下克上の秘密兵器?「黄金ドラフト」の最速155キロ右腕は
高い奪三振能力も魅力
阪神の救援陣は桐敷拓馬、岩崎優、ゲラ、石井、漆原大晟、岡留英貴、島本浩也、富田蓮と能力の高い投手がそろっているが、佐藤連のようなパワーピッチャーは珍しい。制球が適度に荒れていることで打者の腰が引ける。三振奪取能力が高いことも魅力で、一軍のブルペン陣に定着すれば大きな戦力になる。 他球団のスコアラーは、「恵まれた体格、球質がソフトバンクのセットアッパー・杉山一樹と重なります。入団時より制球力が改善されて、ストライクゾーンでどんどん勝負できるようになった。こういった『ロマン枠』の投手はハマったときにすごい投球を投げる。育成に成功すれば手強い投手になることは間違いない」と警戒する。 杉山も潜在能力の高さをなかなか発揮できなかったが、プロ6年目の今季は50試合登板で4勝0敗1セーブ14ホールド、防御率1.61と自己最高の成績をマーク。50回1/3を投げて61三振と力強い投球で、4年ぶりのV奪回に貢献した。 同期入団の選手たちの活躍は、刺激になっているだろう。38年ぶりの日本一に輝いた昨年は村上が10勝6敗、防御率1.75でMVP、最優秀防御率、新人王を受賞と大ブレーク。今季は石井が自己最多の56試合登板で4勝1敗1セーブ30ホールド、防御率1.48と救援陣に不可欠な存在になっている。「サトレン」の愛称で親しまれる右腕も、大輪の花を咲かせられるか。サクセスストーリーは始まったばかりだ。 写真=BBM
週刊ベースボール