広島・長崎の被団協関係者が報告 ノーベル平和賞、慰霊碑や墓前に
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与決定を受け、広島と長崎の被団協関係者が13日、亡くなった被爆者の慰霊碑と墓をそれぞれ訪れ決定を報告し「核兵器廃絶を諦めない」と誓いを新たにした。 被団協代表委員で広島県被団協の箕牧智之理事長(82)は平和記念公園(広島市)の原爆死没者慰霊碑で、故森滝市郎さんや故坪井直さんら歴代の県被団協理事長の名前を挙げ「坪井さんがいつも言っていたように、私たちは核兵器廃絶を諦めません」と誓い、慰霊碑に献花した。 箕牧さんは取材に対し「ここに眠る34万人の被爆者が核廃絶を訴えてきたことが受賞につながった」と語った。 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(83)らは、長崎県時津町の墓地にある、原爆の熱線で体が焼けただれた「赤い背中の少年」の被写体として知られる前会長の故谷口稜曄さんの墓を訪れ、手を合わせた。田中さんは決定について「先輩たちが苦しい中で運動してきた結果だと思う」と谷口さんらの業績を強調した。