「頭が良くて能力もある…でも出世で男性に勝てない」→元マッキンゼー女性のアドバイスがなるほど納得だった!
● 頭が良くて能力が高いから 自分はきっと認めてもらえるはず エヴァは50代で、国内有数の心臓病センターに20年以上勤務しています。ある日、電話で互いの近況報告をしていたときに、彼女がこんな不満を打ち明けました。 「私は主任医務官のポストを何度も抜かされているの。白人の男性が私を差し置いて昇進するたびに、理由がわからなくて。私はいつかグループのCEOになりたいの。なのにずっと、レストランのマネージャーのような扱いで、常にあちこち走り回って、あらゆることが機能してすべての人がうまくやっているかをチェックする役回り。トップに立つ職務に値すると見られていないのよ」 エヴァは頭が良くて能力が高く、仕事に人生を捧げていて、〈一番の強み〉をいくつも備えています。でも――私たち誰もが経験するように――エヴァは、「頭が良くて能力が高いので、認めてもらえるだろう」と考えたのです。そして彼女は身を粉にして働きました。人生を職業に捧げ、いつか認められるだろうと信じていました。しかし何をやっても、彼女のCEOの男性は、自分に似た人しか昇進させないのです。私はエヴァに言いました。
「いったん学校を卒業してしまうと、その後の人生では誰も第1位のリボンを渡してくれないし、成績表を出してくれない。自分を高めるためにあらゆる努力をすることはできるけれど、あなたが働いている職場のシステムを変えるか、それともあなたの能力を評価してくれる職場を探すかは、自分自身が決めることよ」 これはエヴァにとって新しい考え方でした。電話の最中、ようやくエヴァは腑に落ちたのです。 「なるほど、ゲームのルールが違うのね?」 エヴァは自分の〈一番の強み〉を知り、それを活用して、職場風土を分析し、自分の能力を活かした働きが認められ、報われるような変更を提言しました。その後、エヴァはほどなく主任に昇進し、今はクリニックの運営を目指せる立場にあります。そして何より重要なことに、自分の能力に自信を持っています。しかし、そこに至るまでには、職場の外的な圧力に気づいて、自分の能力を表明するための「言葉」を持つ必要がありました。 ちなみに、女性だからといって、まったく偏見を持たないわけではありません。とりわけ権力を持つ女性の場合、優秀だからではなく、駆け出しの頃の自分に似ているという理由で、ついその人を昇進させてしまうことがあります。人生に仕組まれた偏見の悪影響を理解して、自分の中にも潜むひいきの感情を認識し、スキルとリーダーシップの評価基準を拡大することが大切です。
リサ・サン/鹿田昌美