「頭が良くて能力もある…でも出世で男性に勝てない」→元マッキンゼー女性のアドバイスがなるほど納得だった!
すべてを一度に手に入れることはできません。だからといって、体にムチ打って頑張らなくてもよいのではないでしょうか。 スーパーウーマンという理想は「幻想」です。勇気を持って手放してよいのです。 ● パフォーマンス評価が高いのに リーダーシップへの判定が低い? 偏りのある権力の力関係を下支えする構造や体制。進歩と変化を阻むシステム全体の障壁。システムは私たちが作ったものでも、私たちのために作られたものでもありません。 実力主義が通用するのは、学校の成績評価までのこと――そう気づくのに、私は20年近くかかりました。現実の世界には「公平な」評価システムなど存在しません。社会的属性は、つながりを示す最も簡単な指標であり、組織的な偏見を助長し、時に客観的なメリットや価値よりも優先されます。 職場では、この偏見はひっそりと存在することもありますが、いったんこれに気づくと、あちこちで目にすることになります。あなたにふさわしい昇進が男性の同僚に与えられたり、あなたが提案した素晴らしいアイデアが、その人の手柄になったり。 私が思い出すのは雑誌『パンチ』の有名な風刺漫画です。5人の男性と1人の女性がテーブルを囲んで会議をしているときに、ひとりの男性がこう言います。 「それは素晴らしい提案ですね、ミス・トリッグスさん。おそらく、ここにいる男性の誰かが、それを実現したいと思っていますよ」
最近ではそんな露骨なやり方は少ないとしても、長年の固定観念を取り除くのは難しいため、私たちはいまだに、過小評価され、軽視され、見くびられていると感じることがよくあります。 そのことを裏付けるのが、イエール大学のケリー・シュー教授と同僚たちによる調査です。 3万人近くの労働者の評価と昇進の記録を調べた結果、女性のほうが男性よりもパフォーマンス評価が高いにもかかわらず、リーダーシップ能力が低いという一貫して誤った判定が下されており、そのパターンが、その後に女性のパフォーマンスが期待を上回ってもなお続いていました。 シュー教授はさらにこう続けます。 マネージメントと潜在能力の観点から一般的に語られるのは、積極性、実行能力、カリスマ性、リーダーシップ、野心といった特性です。これらは本物の特性だと私は思います。そして同時に、非常に主観的であり、ステレオタイプ的に男性のリーダーに関連付けられています。 私たちが得たデータから見えてきたのは、潜在能力の評価において、女性に対してかなり強いバイアスがかかっていることです……。女性は、出世の階段を上がるにつれて、実際の将来的なパフォーマンスに比べて、今後見込まれる能力の評価が低くなります。このことが、上に行けば行くほどガラスの天井が厚くなる一因になると私は考えます。