ラグビーW杯8強遺産は次世代ジャパンへ継承されるのか?
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に参加した日本代表の大会総括会見が21日の午前11時過ぎから30分程度、都内で行われた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ、同ヘッドと親交が深く2018年に入閣の藤井雄一郎強化委員長、さらに今回登録された31名の選手が登壇した。 目標としていた初の8強入りを叶えたとあり、普段の会見等では厳しい顔つきのジョセフ・ヘッドコーチも時折、笑みを浮かべ「努力を重ね、トップエイトにたどり着きました」と語るなど終始和やかなムードだった。 今大会限りで代表を引退する38歳の「トモさん」ことトンプソン ルークは「ツカレタ! 国民全員で一丸となって戦えました」と日本語と英語を交えて心境を吐露。藤井強化委員長も「3年間、身を削って色々なものを犠牲にしてやってくれた」とスタッフをねぎらった。 2016年秋に発足した現代表のスローガンは『ONE TEAM』。元ニュージーランド代表のジョセフ・ヘッドコーチは、家族的なチーム作りに尽力。信頼関係を築けないと見たであろう選手やコーチを迷わず船から降ろす一方、ひとたび信じた構成員へは主体性とリーダーシップを促した。 就任前から道筋のついていた国際リーグのスーパーラグビーへの日本チーム参戦も活用。当該クラブのサンウルブズと代表チームとで戦術、選手、コーチ陣の一部を共有した。特に前職ハイランダーズ時代から一緒に仕事をしてきたトニー・ブラウン・アタックコーチ、現役時代に日本代表で同僚だった長谷川慎スクラムコーチらに全幅の信頼を寄せた。 アンストラクチャー(混とん状態)からの多彩な攻め、8人一体型のスクラムは、予選プールAの全勝を支えた。ジョセフ・ヘッドコーチは、冗談を交えながら、こう謝辞を述べた。 「遠征に出かける大人数をまとめるのは難しく、そのなかでも全員が意思統一を図る。そこで、僕だけが勝手なことをしている…と。全員が連携して与えられた役割をするのが大事。それを全員ができているこの形を、継続する。それが大事だと思います」