[特集/CL&EL新時代 03]15人の日本人選手が参戦 サムライたちのCL&EL
その昔、初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏は「(日本代表に)チャンピオンズリーグで上位に入るようなチームでレギュラーを務める選手が10人以上いなければW杯優勝は狙えない」という言葉を残している。かつては夢物語だったが、日本サッカー界は確実にこの数字に向かって成長を続けている。 今シーズンはCLに12人、ELに3人、合計15人の日本人選手、サムライたちが参戦している。それぞれ、置かれた立場は違う。主力となっている選手がいれば、完全にはポジションをつかめていない選手もいる。優勝を狙っているチームでプレイする選手がいれば、リーグフェーズ突破が目標となるチームでプレイする選手もいる。ケガでまだ出場がない選手も……。15人それぞれの見どころを紹介する。
主力を張る南野&守田 チームからの信頼もある
昨シーズンのリーグ・アンで2位となってCL出場権を得たモナコでは、南野拓実がチームに欠かせない戦力となって活躍している。[4-2-3-1]と基本布陣とするなか、南野はトップ下を任されることが多い。リーグフェーズ第1節のバルセロナ戦でもトップ下で先発し、チームを勝利に導いてみせた。 ポット4のモナコに対して、バルセロナはもちろんポット1。ホームでの戦いとはいえ苦戦が予想されたが、立ち上がりに南野が大きな仕事をした。開始10分、GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンがボールを持って出しどころを探す。南野は守備能力も高く、前線から献身的にボールを追いかけることができる。テア・シュテーゲンが無造作にエリック・ガルシアへパスを出したところにチャージをかけ、背後からボールを奪い取ることに成功した。 南野がそのままドリブルでペナルティエリアに侵入しようとしたところ、エリック・ガルシアに後方から倒された。このファウルでエリック・ガルシアは一発退場となり、モナコは残り約80分をひとり多い状態で戦うことができた。結果、2-1で勝利してポット1の相手から貴重な勝点3を得ており、改めて南野の評価が上がった一戦となった。 モナコは第2節ディナモ・ザグレブ戦を大雨のなかアウェイで戦い、2点をリードされる苦しい展開となった。しかし、終盤に2点を返して敵地で勝点1を積み上げている。この試合でも南野は積極的に足を動かし、ゴール前で2度の決定機があった。しかし、1本はGKの好セーブに阻まれ、もう1本はDFにゴールライン上で弾き出された。 モナコもリーグ・アンで首位に立ち、CLも1勝1分けと申し分ないスタートを切っている。南野も好調を維持しており、CLで得点する日もそう遠くなさそうだ。 スポルティングCPでは守田英正が中盤で代えのきかない選手となっている。指揮官を務めるルベン・アモリムはオフシーズンにリヴァプールへの転身が噂された攻守の組織力を高める能力に優れており、守田は[3-4-3]の布陣のなかボランチを務める。 プリメイラ・リーガでは8戦8勝、27得点2失点といまのところ国内に敵がいないなか、CLのリーグフェーズ第1節でもリールに2-0で快勝している。この試合でも守田はミドルシュートや素早いプレスで存在感を放っていたが、1点リードし、相手に退場者が出て、守田もイエローを1枚もらったことで前半を終えて交代となっている。 スポルティングは第2節をアウェイでPSVと戦い、1-1で引分けている。守田はボランチで先発フル出場し、押し込まれる展開になるなか中盤で常に最適なポジションを取り、相手に決勝点を許さず勝点1を持ち帰ることに貢献している。 モナコ、スポルティングはともに1勝1分けのスタートを切ったが、最終的にはまずは24位以内に入り、ノックアウトフェーズ・プレイオフに入ることが現実的な目標になる。そのなかで南野、守田はチームから信頼されており、実際に戦力となっている。