JR九州の運賃の値上げで公聴会…減収見通し「根拠が不明」、出席の日本大名誉教授が値上げに反対
国土交通省運輸審議会は11日、JR九州が国交省に申請した2025年4月からの運賃の値上げについて、福岡市で公聴会を開いた。公募で選ばれた1人が出席し、JR九州が理由とした将来の減収見通しについて、「根拠が不明」などとして値上げに反対した。
JR九州は7月、平均15%の値上げの認可を申請していた。値上げ率は普通運賃で14・6%、通勤定期で30・3%となる。
公聴会に出席した日本大名誉教授の桜井徹氏は、JR九州の減収見通しについて、根拠が不透明でコストの算定方法にも不備があると主張した。JR九州の古宮洋二社長は「テレワークなどの新しい生活様式に加え、高速道路の発達や人口減少で厳しい経営状況が続く」などと理解を求めた。
審議会は、公聴会の意見を踏まえて審議し、国交相に答申する。公聴会終了後、審議会の堀川義弘会長は「十分に審議を尽くしたい」と述べ、答申の時期については明言を避けた。