RIZIN大晦日決戦の那須川天心の相手に不気味なムエタイ強豪…「大晦日が天心最後の日になる」と挑発
総合格闘技イベント「RIZIN.26」(大晦日・さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カードが22日に発表され、未定だった“神童”那須川天心(22、TARGET/Cygames)の対戦相手がムエタイの強豪、クマンドーイ・ペットジャルーンウィット(26、タイ)に決まった。 クマンドーイはムエタイの2大殿堂であるラジャダムナン認定バンタム級1位、ルンピニー認定同級5位にランクされており、RIZINの発表資料によると、ここまでに150戦を経験している攻撃的な選手で「相手にディフェンスする時間すら与えない嵐のような攻撃力でKOを量産。パンチ・肘・ローキックと、あらゆる攻撃を得意とし、その波状攻撃はまさに爆撃機だ」という。関係者は、「ムエタイ史上、屈指のオフェンス力」と評している。 右構えのオーソドックススタイルだが、荒々しくパンチを振り回してくる。接近戦も得意で、強引な左フックと時にはカウンターにもなる右ストレートには一撃でKOを奪う威力がある。 2017年にはタイ・チャイヤプーム県で那須川が延長戦の末に判定勝利したロッタン・ジットムアンノン(タイ)に判定勝利。今年3月にはラジャダムナン認定バンタム級王者のサオトー・シットシェフブンタムにも勝っている。ベルトはないが“最強ムエタイ”のトップコンテンダーの一人であることは間違いない。不気味な対戦相手だ。 “天心狩り”に燃えるムエタイ戦士は、RIZINを通じて「2020年最後の日が、テンシンにとって最後の日になる」と挑発。 「日本で試合をして天心と試合したロッタンみたいに有名になって、沢山ファイト マネーを稼ぎたいと思います!」 と、この試合にかける意気込みを伝えてきた。 ムエタイルールと、RIZINキックルールには微妙な違いがあり、ムエタイの選手は母国と敵地ではモチベーションとパフォーマンスにもしばしば温度差が見られるが天心戦となると目の色が変わってくる。すでにクマンドーイは来日。新型コロナの感染予防のための自主隔離に入っているという。 試合のわずか10日前での強敵の決定となったが、前日に参戦会見を開いた那須川は、こんな話をしていた。 「もう対戦相手に対する希望とか言っていられる状況じゃない。時間もない。試合ができるだけありがたい。誰が相手でも那須川天心らしい試合をして大晦日らしく暴れたい。僕がいない大晦日はありえない。ずっと準備してきたし、しっかりとモチベーションはある」 那須川には格闘家としてのひとつの哲学がある。 「僕は試合があろうがなかろうが自分を高めるトレーニングをしている。強い奴っていつ試合が決まっても勝つ。その心構えは昔からしていた。常日頃から考えている。だから(直前に決まろうが)問題はない」 いつどこで誰が相手でも戦う準備はできているーーまるで武士道のような心構えだ。