【特集】依頼者も思わず涙「お母さん、喜んでくれていたら良いなぁ」思い出の着物が洋服として生まれ変わる!依頼者の想いに寄り添い、想いを形に…困難な裁断も完璧に仕立てる、凄腕“着物リメイク職人”に密着
■「コンセプトは“絵を背負って歩きたい”」着物に詳しく、こだわりの強い常連さんが、いつも上加世田さんに依頼するワケ
この日サロンにやって来たのは、常連客の荒川忠議さん。これまでも、祖母の着物をジャケットやストールにリメイクしてもらった経験があります。今回は、「自宅に眠っていた女性用の着物を自分のコートに作り変えてほしい」と依頼しました。
(常連客・荒川忠議さん) 「コンセプトは、“絵を背負って歩きたい”」 (上加世田さん) 「あはは(笑)」 (荒川さん) 「でも、『はい、着物です』も、おもしろくないわけですよ。せっかくの絵羽(模様)やから。一続きの絵になっているから」
Q.着物に詳しいんですね? (荒川さん) 「もともと実家が機屋(はたや)なんです。小さい頃から、糸を紡いだり織ったりというのを見ていたので」 さらに、荒川さんはこの道24年の日本舞踊の役者。舞台衣装用の着物をたくさん持っているそうで、こだわりが強いのも頷けます。
(上加世田さん) 「襟は、どうしましょうか?これは…女性っぽいな」 (荒川さん) 「紐は、なくてもいいかな?」 襟のデザイン一つとっても、次から次へと案は出ますが、なかなかまとまりません。
(荒川さん) 「じゃあ、そういうことで、お願いします」 (上加世田さん) 「あはは(笑)」 (荒川さん) 「細かい部分は、いつものように“呪文”を唱えていただければと思います(笑)」
Q.結局“お任せ”ということですか? (荒川さん) 「ぼんやりしたイメージをお伝えするだけしかできないので、それを見事に形にしてくださるのが、この方。“この方でないとできないもの”を作ってほしいし、それに出会えた瞬間のためだけに、お願いしています」 上加世田さんに、全幅の信頼を寄せているようです。
(上加世田さん) 「今回で4着目なんですけど、レベル的には、もしかしたら一番難しくなるかもしれません」 『女性用の着物』から『男性用のロングコート』に仕立て直すのは、至難の業。緻密に計算してパーツを取らないと生地が足りなくなってしまうため、“職人の腕の見せどころ”です。
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