敏感肌が実はいちばんキレイになれる? 美の巨匠・齋藤薫が注目する最新美肌ケアとは|STORY
数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添う連載がスタート!体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします。
お悩み:【敏感肌】
元々季節の変わり目は肌が敏感になり、かゆみや赤みなどが出るのですが、春は特に肌の調子が悪く憂鬱でたまりません。とりあえず肌を刺激しないようにはしているのですが、何か良いケア方法があれば教えて頂きたいです。
「敏感肌は、キレイになれない」と諦めていない?
敏感肌ケアは優しく優しく、決して刺激を与えないように優しく……。これまでひたすらそういうふうに言われてきた。実際、自分が敏感肌だと思っている人の多くが、まるでハレモノに触るようにこわごわとお手入れしてきたかもしれない。それこそ、事勿れで、守ること以外は何もしないというのが、かつての敏感肌ケアだったと言っていい。 それだけに敏感肌の多くは、敏感トラブルを抑えるだけで精一杯、どうせ私はキレイになれないと思っているかもしれない。でもその考え、間違っている。 見方を変えれば、敏感肌こそ正しくお手入れすれば、美しくなるポテンシャルが最も高い肌と言えるのだ。明確な線引きは無いものの、皮膚科に通わなければいけないような病的な敏感肌、アレルギー症状がある肌、深刻なアトピー肌は、ちょっと分けて考えて欲しいのだけれど、いわゆる敏感肌用のスキンケアしか使わない、使えないという人や、時々でも敏感気味になるから、積極的なお手入れができないと弱気になっている人は、聞いて欲しいのだ。 ともかくまずは悲観的にならないで。むしろキレイになるチャンスはいくらでもある。それどころか、敏感肌ほど、じつはキレイになれるのだから。
敏感肌は、構造的に美肌と隣り合わせ?
敏感肌とは、一言で言うなら、バリア機能が低下した肌。潤いを自ら抱え込みつつ、潤いが逃げていかないよう文字通りのバリアとなる働きが弱っている肌である。 言い換えればそれは、肌が薄くなっている状態。見るからに薄そうな肌って、いかにも弱々しく繊細な印象は与えるものの、同時にそれは透明感にもつながる肌状態。つまり、そういう肌がきちんとバリア機能を高めていけば、肌が安定するだけでなく、意外なほど早く“透明感あるきめ細かい美肌”に導かれていくはずなのだ。 逆に、いかにも丈夫そうな厚ぼったい肌は、むしろ毛穴が目立つようなゴワゴワした印象があるはずで、透明度からは遠い 。弱い肌の方がかえって美肌と隣り合わせだからこそ、悲観をせず、諦めずに、正しいお手入れに励んで欲しいのだ。ただただ刺激を与えない守るだけのお手入れではなく、積極的にバリア機能を育てていく攻めのケアで。