中学受験を途中でやめて、小5から高校受験コースに 決断までの親の葛藤 #令和の親
前出の小宮山さんは、子どもの発達段階に合わせる視点が必要だとアドバイスする。 「親御さんに提案したいのは、中学校の教科書を手に入れて読んでみること。読んで自分の子どもが理解できそうかどうかを判断するのです」 人の頭は具体的なものの理解から抽象的な概念の理解へと発達する。だから算数では目で見える具体的な数を扱い、数学ではじめて抽象的な概念の負の数などが出てくる。小学生は実体験を通して学ぶことが大切なのだ。 「うちの子には抽象概念は無理だと思ったら、焦って高校受験コースに入れたりせず、家族旅行をするとき、地図帳と照らし合わせながら車窓からの景色を楽しむ、スポーツ選手の打率やゴール率から『割合』の感覚を身に付けるなど実体験に結びつく知識を増やすことから始めましょう。中学受験を途中であきらめても、しっかりと中学で学べば、2年も経てば遅れは取り戻せます。中学の勉強は中学に入ってからまじめに始めれば大丈夫。小学生は小学校で学んだことを教科書で復習しておけば、焦る必要はまったくないですね」