トヨタ「スープラ」生産終了へのカウントダウン! 集大成となる6速MTのみのエボモデル「A90ファイナルエディション」は中身がスゴい
生産終了へ向けてのカウントダウンが始まった5代目「スープラ」
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ ガズー レーシング、以下TGR)は、2ドアスポーツクーペ「スープラ」の3リッターモデルに一部改良を実施。併せて、特別仕様車「A90ファイナルエディション」を世界初公開しました。 【画像】「えっ!…」さすがは集大成モデル! これがトヨタ「スープラ」の最後を飾る「A90ファイナルエディション」です(20枚) その名のとおり、現行「スープラ」の最後を飾ることになるこの特別仕様車は、グローバル市場で300台限定での発売を予定。発売時期は、「スープラ」の3リッターモデルが2025年春以降の予定、特別仕様車「A90ファイナルエディション」は“検討中”とアナウンスされています。
ラージサイズの2ドアスポーツクーペ「スープラ」は、誕生以来、直列6気筒エンジンを搭載するFR車という記号性を継承。これまで世界中で多くの人々に愛されてきました。 そんな「スープラ」は、モータースポーツの世界でも大活躍を見せています。日本のSUPER GTシリーズのほか、「スープラ」をベースとしたレース専用マシン「GRスープラ GT4」が世界中のさまざまなレースに挑戦。ドライバーたちはその高性能な走りを堪能しています。 「スープラ」は、1978年に初代モデルが誕生。1981年に2代目へと進化し、さらに1986年には3代目へとフルモデルチェンジを遂げています。なお日本でも、この3代目よりネーミングを「セリカXX(ダブルエックス)」から海外仕様と同じ「スープラ」へ変更しています。 そして、1993年に4代目へと進化。しかし、排ガス規制に対応できなかったことから、2002年に生産が一度終了していまいます。 17年ぶりの復活となった5代目の現行モデルが登場するのは、2019年のこと。BMWと共同開発されたモデルで、プラットフォームなどはBMWのオープンカー「Z4」と共有しています。ちなみに製造は、オーストリアにあるマグナ・シュタイア社が担当しているのも現行「スープラ」の特徴です。 そんな「スープラ」復活の陰には、マスタードライバーのモリゾウこと、トヨタ自動車会長・豊田章男氏の強い想いがあったのは有名な話です。 現行モデルの発表に際して、豊田氏は以下のようにコメントしています。 「ニュルブルクリンクでの運転訓練で長い時間をいっしょに過ごした『スープラ』は、自分にとって“特別な旧友”のような存在です。 当時、ニュルブルクリンクで他のメーカーが発売前のプロトタイプカーを走らせている中、私たちはすでに生産を終了した古い『スープラ』でしか走ることができず、とても悔しい想いをいたしました。 『スープラ』復活を待ち望んでいたのは、世界中の多くのファンだけではありません。私も『スープラ』を復活させたい、という想いを密かに持ち続けていました。 新型『スープラ』はニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたクルマです。走る楽しさ以上の経験を提供できるクルマになったと、自信を持ってお伝えします」 ●内外装はもちろんボディや足回りもブラッシュアップ こうして誕生した現行型「スープラ」は、2019年の発売以降も絶え間なく進化。2020年と2022年には、それぞれ一部改良モデルを発売しました。 そして今回は、3リッターエンジン搭載モデルに新たな改良が加えられました。 新型「スープラ」は、市街地からワインディング、サーキットまで存分に走りを楽しめるよう、“さらなる一体感のある走り”を追求。安心・安全のためにブレーキ性能を向上させた上で、ボディ、サスペンション、シャシー剛性の向上を図ったほか、チューニングの最適化、空力性能の改善を施したといいます。 まずドライブトレインは、新しいシャシーセッティングに伴ってアクティブディファレンシャルの制御を最適化。コーナリング中のアンダーステアを抑制し、ハンドリングを改善しています。 ブレーキは、フロントに大径化したブレンボ製ディスクブレーキを採用。制動性能を強化させたといいます。 ボディやサスペンションに関する進化にも注目。状況に応じて減衰力を調整する電子制御ダンパーの特性を見直し、フロントスタビライザーも強化することで走行性能が向上。 さらに、前後スタビライザーのブラケットにアルミ強化品を採用、フロントコントロールアームに強化ゴムブッシュを使用、リアのサブフレームに強化ゴムマウントを採用といった改良を施すことで、サスペンションとボディの一体感がアップ。路面からのインフォメーションがより伝わりやすくなり、正確なハンドリングを実現しています。 加えて、リアフロア下に備わるブレースの構造を強化してボディ剛性を高め、ダイレクト感やグリップ感、コントロール性がアップ。また、今回の進化点に合わせて電動パワーステアリングの制御を最適化し、ダイレクト感のあるステアリングフィールを実現するとともにコントロール性も高めています。 そのほか、前後のキャンバー角を見直すことでグリップを追求し、コーナリング時の安定性を向上させるなど、細かい部分の進化にも抜かりはありません。 そうした中身の進化に加えて、最新の「スープラ」は見た目も確実に進化しています。 エクステリアでは、マットブラックに塗られ、精悍なスタイリングに磨きをかけた新デザインのホイールが目を惹きます。 加えてリア回りを見ると、ダックテールタイプのカーボンリアスポイラーを採用。また、フロントにホイールアーチフラップを追加してフロントタイヤスパッツの高さを拡大することで前後の空力バランスやダウンフォースを最適化し、接地性とハンドリング性能を向上させているのもポイントです。 対するインテリアは、ドライバーズシートにGRロゴを刺繡したアルカンターラ+本革の新シート表皮を使用。6速MT車はシフトノブのリングやステッチ、シートベルトのカラーを赤とし、スポーティさを強調しています。
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