シュプリーム の栄光と挫折。ブランドにおける希少性と企業成長は相反してしまうのか?
再び調子を取り戻すには?
シュプリームが再び調子を取り戻す手助けができるのは、エシロールルックスオティカかもしれない。同社はラグジュアリー業界に属しており、ブランドを支援するリソースを豊富に持っていると、以前情報筋が米モダンリテールに語っている。スワップのペレラノ氏も、エシロールルックスオティカがシュプリームとともにできることについて楽観視していた。 「ルックスオティカについて私が知る限りでは、おそらく実店舗の面での投資をより選択的に行うだろう。すでにシュプリームを出店できる店舗をたくさん持っているため、それが戦略の大きな部分を占めると思う」とペレラノ氏は話す。 だが、シュプリームにとって競争はまだ続いている。2013年に創業したライフスタイルブランドのフィア・オブ・ゴッド(Fear of God)と2017年創業のコルテイズ(Corteiz)は、とくに黒人が所有するブランドを支援しようという呼びかけのなかで近年大きな支持を集めている。また、キース(Kith)、エメ・レオン・ドレ(Aimé Leon Dore)、パレース(Palace)は、いずれも過去15年間に創業したストリートウェアブランドで、シュプリームの市場シェアを食っている。 また、1990年代から2000年代にかけてシュプリームが広めたドロップモデルを、多くのブランドが取り入れているという点を、スパーウィンクリバーのパウエル氏は指摘した。そのなかには、大企業や個人経営の小規模な企業も含まれている。「複雑なビジネスモデルではないため、多くの人がこのビジネスモデルを模倣した。皆、同じことをやろうとしているのだと思う。ただそこに、自分たちのラベルを貼っているだけだ」と、同氏は米モダンリテールに語った。 ジャーナリストであり、マーケティングコンサルタント会社のユニティマーケティング(Unity Marketing)のオーナーであるパメラ・ダンジガー氏は、シュプリームが2017年にルイ・ヴィトンと行ったように、エシロールルックスオティカがほかのブランドと魅力的なコラボレーションを行うことに成功すれば、シュプリームの人気を高めることができるかもしれないと考えている。「エシロールルックスオティカは非常に強力な数々のブランドと良好なコネクションを持っているため、そのような契約を取り付けることが可能かもしれない」とダンジガー氏は米モダンリテールに述べた。 「しかし、」とダンジガー氏は続けた。「シュプリームはかつてのような強力なパートナーではなくなってしまっている」。 [原文:‘Scarcity and growth are oppositional’: How streetwear legend Supreme lost its luster] Julia Waldow(翻訳:Maya Kishida 編集:島田涼平)
編集部