「何か仕事ないかな」SNS投稿が"転落の4日間"の始まり...特殊詐欺の"経験者"が証言する『闇バイト応募から逮捕まで』 家族への危害をおそれ「やりますと言うしか...」
【転落の4日間/3・4日目】群馬・神奈川でも特殊詐欺に加担 そして解放後にも再び…
これで話は終わりません。ATMで引き出したお金を「いますぐ東京まで届けに来い」と命令されます。また、50万円以下しかない口座のカードは証拠隠滅のためにハサミで切り、公衆トイレに流すよう指示されたと言います。50万円以上あるものは、翌日また引き出すためにとっておくということです。そして東京都内のコインロッカーに、引き出した現金を自分の報酬のみ抜き取って入れるように指示されました。コインロッカーからは出し子が回収します。 Aさんは「3日やったら解放する」と言われ、3日目は「群馬に行け」。4日目は「神奈川に行け」と指示されます。3日間で3件の「受け子」を行い、報酬として約30~40万円を得て解放されました。 Aさんはその後、受け子で得たお金でひと月を過ごすも再び金に困り、高収入をうたうSNSで今度はスマホ詐欺に被害にあうことになります。再び無一文になり借金を抱えて生活に困窮。今度は自分から指示役に連絡を取り、再び3件、合計6件の受け子詐欺を行ってしまいます。今思うと、生活保護などを受けた方が良かったとAさんは語っていました。 Aさんは、1回目の犯行時の車のナンバーで逮捕され、懲役3年の実刑判決を受けました。その後服役をして今社会復帰をしているということです。
「自分の話を聞いて1人でも犯罪をとどまってくれたら」経験者の訴え
改めてAさんが犯行に加わったその当時の心境を語ってくれました。 (Aさん)「最初は怪しいと思っていないですよね。(犯罪だと分かったときは)一気に血の気引いたっていうか。自分が悪いですけど、親を巻き込みたくないとか、自分でなんとかしないといけないと考えて。あとはもう脅されていくいっぽう。洗脳されていくというか、自分が殺されないようにとか家族に害がないようにという気持ちだけでも動いた」 ―――犯行時にはどう思いましたか? (Aさん)「おばあちゃんも良い人が多くて、すごく心が痛かった。ずっと苦しいですね。声も震えるんですよ。指示役から『お前声震えてるからもっと堂々としろ』とか言われるんですよね。追い詰められていたので、そのときはわらにもすがる思いだった。やってからでは遅い。もし周りに助けてくれる人がいたら、まずは助けてもらったほうが間違いなく良いと思います。(自分の話を聞いて)1人でも犯罪をとどまってくれたら良いなと」