【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第1ステージ】史上初のイタリア開幕を制したのはロマン・バルデ 約50kmを逃げ切って33歳にして初のマイヨ・ジョーヌ「1日でも良いからマイヨ・ジョーヌが着たかった」
大きな局面を迎えたのは、フィニッシュまでおおよそ50kmを残したタイミングだった。2級山岳コート・ド・サン・レオに入ると、先頭グループで数人がドロップ。ときを同じくして、メイン集団ではバルデがアタックに打って出た。
「多くのライダーが苦しんでいる様子を見て、逃げに入っていたフランク(・ファンデンブルーク)を頼れば何かが起きるのではないかと思ったんだ。アタックした瞬間は“今だ!”という直感だけ。思い切っていったよ」(ロマン・バルデ)
バルデの加速を受け、序盤から先頭グループに入っていたチームメートのフランク・ファンデンブルークが意識的にペースを緩めて、チームリーダーを前待ち。さして時間をかけずに両者が一緒になると、前を走っていたヴァランタン・マドゥアス(グルパマ・FDJ)に労せず追いついた。少しばかり3人で走ったが、脚の差は明白。残り40kmを切ろうかというところで、dsm勢2人の逃げが始まった。
メイン集団では引き続きEFエデュケーション・イージーポストやヴィスマ・リースアバイクが牽引。ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が単独で追走を試みたが、15kmほど進んだところで集団へと引き戻される。最後の登坂を終えて、前を行く2人とのタイム差はおおよそ1分35秒。イネオス・グレナディアーズやリドル・トレックも牽引を引き受けて、バルデとファンデンブルークとの差を少しずつ縮めていく。
しかし、レース序盤から積極的な姿勢を崩さなかった2人の勢いは、集団の力でしても食い止められなかった。残り10kmを切って1分を割ったタイム差だが、残り5kmで35秒、残り3kmで20秒…。バルデとファンデンブルークは最後まで捕まることなく、最後の直線へとやってきた。
焦る集団をよそに、最後の最後まで力強いペダリングを披露した2人。勝利を確信するや両者が並んでフィニッシュラインへ。最後はファンデンブルークがわずかに減速して、年長のバルデを立てたのだった。
【関連記事】
- 【速報 ツール・ド・フランス2024】ロマン・バルデがラスト50.6kmで抜け出し逃げ切り勝利、マイヨ・ジョーヌ獲得/第1ステージ
- 小林海がエリート初の日本王者に! 風雨のサバイバルを制す【Cycle*2024 全日本自転車競技選手権大会 ロードレース:レビュー】
- 着用できるのはただひとり! 日本チャンピオンジャージを賭けた年に一度の大一番【Cycle*2024 全日本自転車競技選手権大会 ロードレース:プレビュー】
- 辛勝もツールへ弾みの「ログリッチ劇場」 “最終日男”ヨルゲンソンは不運続くヴィスマの救世主になるか【Cycle*2024 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:レビュー】
- 参戦ライダーの顔触れはもはや「ツール・ド・フランス」 前哨戦ドーフィネでひと足早くログリッチvs.レムコの対戦が実現!【Cycle*2024 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:プレビュー】