【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第1ステージ】史上初のイタリア開幕を制したのはロマン・バルデ 約50kmを逃げ切って33歳にして初のマイヨ・ジョーヌ「1日でも良いからマイヨ・ジョーヌが着たかった」
「予想していないことが起こるからロードレースは楽しい。いつもとは違う心境でツールに臨んでいて、今日のアタックも本能にしたがったまで。総合成績を狙っているわけではないので、今日はステージ優勝か20分遅れかのどちらかだろうと考えていたんだ」(バルデ)
オープニングステージを制し、今大会最初のマイヨ・ジョーヌ着用者に。11回目の出場にして、初めてレースリーダーになる。
2016年には個人総合2位、翌2017年には同3位と、総合表彰台にも立った。当時は紛れもなく、「ツール制覇に最も近いフランス人ライダー」であった。でも、不調や落車負傷に苦しむうちに、そんな周囲の見方も薄れていく。過度のプレッシャーを避け、ジロを走ってみたり、ステージ狙いに切り替えてグランツールを走ったりと、近年はアプローチを変えつつシーズンを送ってきた。このツールも、開幕を前にステージ狙いであることを口にしていた。
「1日でも良いからマイヨ・ジョーヌを着るのが夢だった。正攻法ではうまくいかなくて、本当に寂しい思いをしてきた。だけど、今まで違ったやり方をしてみたらうまくいったんだ。今日の結果こそが、本当の自分だと思っているよ」(バルデ)
先ごろ、来年6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを走ってキャリアを終えることを明言した。つまりは、実質これが最後のツール。ついに袖を通したマイヨ・ジョーヌは、喜びも苦しみもすべて受け入れてきた彼への最高のご褒美である。
dsm勢によるワン・ツーフィニッシュの立役者は、ファンデンブルークで間違いない。文句なしの敢闘賞獲得だ。今季プロデビューした23歳で、4月にはツアー・オブ・ターキーを制した新鋭である。
「開幕からの数日で何かやってみようと思っていたんだ。逃げている間は深くは考えず、僕にできることはひたすら前を目指すことだけだった。フィニッシュして初めて、自分が成し遂げたことの大きさに驚いているところだよ。ロマンを前で待つために先頭を走っていたわけじゃないけど、結果的には成功だったね」(フランク・ファンデンブルーク)
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