【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第1ステージ】史上初のイタリア開幕を制したのはロマン・バルデ 約50kmを逃げ切って33歳にして初のマイヨ・ジョーヌ「1日でも良いからマイヨ・ジョーヌが着たかった」
フィレンツェの歴史をたどりながらのパレード走行を経て、いよいよレースはリアルスタート。早速10人以上がアタックを試みて、その中にはロマン・バルデ(チーム dsmフィルメニッヒ・ポストNL)の姿もあった。
ただ、すぐに逃げが決まることはなく、しばし出入りが繰り返される。状勢が変化したのは17km地点。7人が集団から抜け出すことに成功し、先頭グループを形成する。その後追随した2選手までが先行を許される形になって、レースはいったんの落ち着きを見せる。この間には、大会3連覇を目指すヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)がバイクを交換している。
この日は206kmの長丁場。アペニン山脈を横断するルートは、7カ所ものカテゴリー山岳が設定された。加えて、35度を超える猛烈な暑さが選手たちに襲い掛かった。スタートして1時間を過ぎると、集団のペースに対応しきれない選手たちが次々と後方へ。最多記録となるステージ通算35勝目を目指し乗り込んだマーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン)は、たびたび頭から水を浴び、苦しげな様子。やがて集団から脱落し、アシスト4人がペースメイクを図る。何とか走り続けるカヴェンディッシュだが、胃腸の不調もささやかれ、実際に嘔吐を繰り返す姿も見られている。
快調に飛ばす先頭グループでは、ヨン・イサギレ(コフィディス)と、追走から先頭合流を果たしたヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ)とが盛んに山岳ポイント収集に走る。その流れから迎えた中間スプリントポイント(86.6km地点)は、サンディ・デュジャルダン(トタルエネルジー)がアブラハムセンとの競り合いに勝って1位通過している。
かたやメイン集団では、先頭との差が5分を超えたあたりからEFエデュケーション・イージーポストがペーシングを開始。続いてUAEチームエミレーツ、ヴィスマ・リースアバイクと牽引役が変わっていくと、上りのたびに人数が絞り込まれていく。レース半ばを過ぎ、4つ目の登坂区間である2級山岳コート・ド・バルボットでは、今大会の注目選手が次々と脱落。個人総合上位入りが期待されていたダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDG)やマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が後方へと下がっていった。
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