国内メジャーで“絶対女王”に競り勝った 21歳の竹田麗央が次に目指すもの
◇国内女子メジャー◇ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会 最終日(8日)◇かねひで喜瀬CC(沖縄)◇6670yd(パー72)◇晴れ(観衆3214人) 【画像】沖縄の熱戦、御覧ください 伝統の大会に新たな歴史が刻まれた。単独首位から出た21歳の竹田麗央が通算19アンダーで逃げ切り、国内メジャー初優勝を遂げた。5バーディ、2ボギーの「69」で回り、21年に稲見萌寧が樹立した大会最多アンダーパー記録に並んだ。
第3ラウンドと同じくらい、この日も「緊張した」という。目指してきた国内メジャーで初日から首位に立ち、後続と3打差あった。それでも、1組前には2年連続年間女王の「パリ五輪」日本代表がいた。山下美夢有とは4打差あったが、脅威だった。 「後半の9ホールは“美夢有さんが絶対に伸ばしてくる。追いつかれないように”っていう緊張がありました」。差はチェックしながら回った。14番のパー3ではティイングエリアから、山下がバーディパットをねじ込む姿を見た。しかし、気持ちは負けなかった。「距離的にピッタリだった。左に池があるけど絶対に逃げずにと思って打ちました」
ゴルフを始めた頃はドローヒッターだった。高校生のころ「ターゲットより左に向いた方が振りやすい」と感じ、フェードヒッターへ。PGAツアー選手らのスイングを動画で研究したりして、精度を磨いた。「段々自信がついてきた」と自分を信じ、池を恐れず、左から回してピン右2mへ。持ち球の高く、強いフェードボールでバーディを奪い返した。
地元熊本開催の4月「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を飾ってから“次の目標”に定めた国内メジャーで6勝目を飾った。最終日に設定した目標、大会新記録の通算20アンダーには届かなかったものの「4日間長かった。まだ優勝の実感はわいていないけど、ほっとしています」と達成感を感じた。国内メジャータイトルの“特典”である「3年シード」も「来年にとか考えているわけではないけど、いつか挑戦したい」という米ツアー参戦に向け、大きな財産になる。
22年大会の川崎春花、23年大会の神谷そらに続き、同じ2003年度生まれで女子プロ日本一決定戦を制した。自分より先にツアー優勝を果たした櫻井心那や尾関彩美悠も同世代。仲間の活躍を励みにしてきた。「お互い刺激して腕を磨いていければ。毎週ベストを尽くすのが目標。振り返ることなく“次へ”と気持ちを切り替えていけたら」。1位を走るメルセデスランキングで、2位山下との差をさらに広げた。初の年間女王へ。ツアー史上初の「初優勝したシーズンの7勝」へ。竹田はさらなる高みを目指す。(沖縄県名護市/石井操)