棚橋弘至は選手と社長の「二刀流」 また新日本プロレスを救えるのか?「V字回復させる自信がある」
――顔もキャラクターも知られている棚橋さんですから、営業では大きな武器になりますね。 「トップセールス、いきますよ(笑)。僕が動けるだけ動けば、それだけ新日本のプラスになりますから。選手としても社長としても、また団体をV字回復させる自信があります!」 【レスラーがスターになるために必要なこと】 ――現在の新日本に対して、どんな点に自信をお持ちですか? 「やはり選手層の厚さ、陣容が揃っていることです。"令和闘魂三銃士" (海野翔太、成田蓮、辻陽太)に加えて、上村優也、大岩陵平、藤田晃生などもいる。彼らは本来であれば、もっと早く人気が出ていてもおかしくなかったんです。でも、コロナ禍で出遅れてしまった。海外遠征から華やかに凱旋帰国するはずが、無観客試合や拍手のみの応援という状況だったんです。 本人たちも、もちろん悔しさがあるでしょうし、歓声のある会場でしか新たなスターは生まれない。それができるようになった今、誰が今後の時代を掴むのかという期待感が、ファンの中でも高まっていると思います」 ――若手がスター選手になるためには、どんな環境が必要だと思いますか? 「スターが生まれるシチュエーションは決まっています。世代を背負う、会社を背負う、そして、大きなトーナメントやタイトルマッチで満員のお客さんにその姿を観てもらうことが欠かせません。歴代の名勝負を思い返すと、アントニオ猪木vsアンドレ・ザ・ジャイアント、猪木vsハルク・ホーガンなど、パッと代表的なカードが出てくると思います。そのような作品、試合をいくつ残せるかが大事です」 ――今の若手の選手は華があってリングでも映えます。あとは、代表となる試合を作れるかどうかということですね。 「そうですね。ただ、代表作は簡単には作れないからこそ面白い。シチュエーションやチャンスは与えられますけど、最後にそれを自分で引き寄せるか、勝ち取れるかは本人次第です。どうやってチャンスを掴むかが鍵になりますね」 ――そのチャンスを掴める選手に共通していることは何かありますか? 「天に愛されているかどうか、運も大きな要素ですが、やはり大事なのは"瞬発力"ですね。その時々で最善の選択をできるかどうか。プロレスの技術は教えられるんですが、リング上での感情表現や機微は教えられません。それを表現できるかどうかは、プロレス以外の人生経験が大きく影響すると思います」