メルセデス、クラッシュ続いた影響で今季アップデート中止「予算制限で大きな打撃になってしまった」
メルセデスはクラッシュが相次いだことにより、これ以上今季マシンのアップデートを行なうための予算は残っておらず、開発中止を余儀なくされたようだ。 【ランキング】メルセデスは上位3チームには大きく離され4番手:F1コンストラクターズランキング イタリアGPのFP1でのアンドレア・キミ・アントネッリのクラッシュや、アメリカGPの予選とメキシコのフリー走行でのジョージ・ラッセルのクラッシュなど、メルセデスは夏以降、高額な損失を被るようなアクシデントに見舞われている。 マシンの修理代がかさむ中、メルセデスは予算制限により、これ以上のアップグレードを行なうための資金が残っていないのだとチーム代表のトト・ウルフは言う。 「予算制限的には難しいシチュエーションだ」 「この3回のクラッシュによって我々は後手に回ることになった。(メキシコのフリー走行で)起きたクラッシュは確かに大きかった。我々は完全に新しいシャシーを選択しなければならず、それはコストキャップにおいて大きな打撃となる」 「おそらく、マシンに投入するものを減らさなければならない。だから、ブラジルではふたつのアップグレードパッケージを用意する。でも、基本的にはそれだけだ」 「パーツの管理には一定の制限があり、その管理方法には工夫が必要だ。そして確かに、クルマに搭載できる開発パーツの数にも影響がある」 予算制限への懸念や、これ以上クラッシュが続けばさらに大きな頭痛の種になる可能性があるにもかかわらず、ウルフ代表はルイス・ハミルトンとラッセルがメキシコで激しくポジション争いをするのを止めることは考えていなかったと語った。 「彼らは非常に優秀で、経験も豊富なので、我々はレースを許可している」と彼は説明した。 「ちょっと危なくなってきたかなという感じはなかった。(メキシコでは)明らかにルイスの方が速く、最終的にはジョージに指示を出したが、彼にはストレートでのディフェンスが遅かったと1度伝えた。でも彼らふたりには何の疑いも持っていない」 メルセデスは、アメリカGPでのクラッシュで損傷したフロアの修理により、サンパウロGPでは新スペックのフロアを2台分用意する予定だが、ウルフ代表曰く2台のパッケージを分ける可能性があると考えている。 「ドライバーたちがどう考えるかについては常に柔軟な考えだ」 「もしジョージが新しいモノに変えるのであれば、ルイスはブラジルで古いフロアで走るかもしれない。我々は必ず彼と話し合って、彼の好みを確認するつもりだ」 ハミルトンが旧フロアを使用する可能性があるのは、彼が新パッケージによりインシデントを誘発するような、空力的に不安定な状態になっているのではないかと疑念を抱いているからだ。 「空力のアップデート・パッケージには、我々が理解できていない何かがあるのかもしれない。それはオースティンの同じコーナーで2回もクラッシュがあったからだ。でも旧仕様でもクラッシュがあった」 「今のマシンはギリギリのところにあるから、ブラジルでは高速域で不安定なのか、低速での要因があるのか、興味深い実験になるだろう。一方が他方より優れているという推定はできないと思う」
Jonathan Noble, Erwin Jaeggi
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