ミル「信じられないクラッシュ」A.マルケス「ペナルティに賛成できない」両者が語る接触転倒の不満/MotoGP第16戦日本GP
10月6日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスの決勝レース。ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)はアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)と絡んでクラッシュして両者がリタイアに終わった。アレックス・マルケスには次戦でロングラップペナルティが科せられるが、ふたりともに不満があるようだ。 【写真】接触されてレースを終えたジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)/2024MotoGP第16戦日本GP 決勝 その接触は決勝のオープニングラップで起こった。12コーナーで前を走るミルにアレックス・マルケスが接触して、バイクが絡みそのまま13コーナーの外に出ざるを得なくなり転倒。両者ともにリタイアして早々にレースを終えた。 ミルは「11コーナーでアレックス・マルケスを抜いた。その後、方向を変えて12コーナーの真ん中にいるときに、彼は僕にぶつかった。かなり強い衝撃だったよ。彼のバイクは僕のシートとスイングアームの間に挟まり、そのままグラベルに突っ込んだ。信じられないクレイジーなことが起こったよ」とクラッシュの詳細を語った。 囲み取材の際には「誰かのレースを台無しにしたときは、謝罪する必要があると思う。僕が怒るのは当然だ。彼とこのようなことが起こるのは初めてではないからね」と言っており、クラッシュ後からレース後までアレックス・マルケスから謝罪はなかったようだ。 だが、アレックス・マルケスはプレスリリースを通して「11コーナーでミスを冒してラインを外れ、ポジションに戻ろうとしたときにミルと接触してクラッシュした。バイクが絡まってしまい、彼には起きたことについて謝罪した」とコメントを出しておりその後にふたりが話したことがわかる。 ■多発するアレックス・マルケスの接触転倒、スチュワードパネルの裁定 「レースディレクションの報告を待っている」ともレース後にミルは語っていたが、その後にアレックス・マルケスは次戦の決勝でロングラップペナルティが科せられることがMotoGPスチュワードパネルから発表された。 ミルはホンダのホームグランプリで、14番手まで追い上げていたため「マンダリカ(インドネシアGP)よりもずっと競争力を発揮できた。ペースはおそらく年間を通じて最高のものだったと思うけど、今日は他のライダーのせいだ」とレースを振り返りさらにクラッシュについての見解を語る。 「クラッシュはアラゴンGPでのバニャイア(とアレックス・マルケス)の時と似ているけど、同じではないんだよ。なぜなら、僕は明らかに前にいたから。バニャイア時はオーバーテイクの途中だった」 先月の第12戦アラゴンGPでもフランセスコ・バニャイアとアレックス・マルケスが接触転倒をした際は、コースコンディションなどが考慮されてペナルティは出なかった。今回はアレックス・マルケスは少々強引な追い抜きをしかけたため、裁定が出たわけだが「ロングラップペナルティは課せられるけど、それには賛成できない」と不満を漏らした。 「7日前(インドネシアGPの1周目に)、3コーナーで別のライダーが同じように僕にぶつかったけど、何もペナルティは出なかった。これは、ルールがすべての人に同じように適用されるわけではないことを示しているけど、それが現実だよ」 レースを台無しにされたミルも、ペナルティの基準がわからないアレックス・マルケスも憤慨している様子。最高峰の舞台のため、ライダー個々の危機管理をしてまずは接触転倒を減らすことも必要であり、スチュワードパネルの一貫性も今は必要だ。2025年から審査委員会のチェアマンはフレディ・スペンサーからサイモン・クラファーに交代するため、良いレースとなることを望む。 [オートスポーツweb 2024年10月07日]